アカマイのウェブトラフィックモニターが、平均より50%も多いトラフィックを計測した。

アカマイのCEO、トム・レイトンはBusiness Insiderの取材に対し、2020年のウェブのトラフィックは一時、前年比2倍に達したことさえあると述べた。これは、コロナウイルスのまん延を食い止めるために「社会的に距離をとること」が奨励されていることから、インターネットへの依存度が高まったことも原因の一つだ。

レイトンCEOはBusiness Insiderに対し、ウェブのトラフィックは増えているが、アカマイ社のシステムは正常に稼働していると述べている。

もしインターネットユーザーが何らかの中断を経験したとしても、インターネット全体の速度は遅くなるだろうが、大きな問題ではない。

アカマイ・テクノロジーズ(Akamai Technologies)は、コンテンツ配信ネットワーク、負荷分散、クラウドセキュリティなどの事業を行っていて、インターネットの円滑な通信のかなりの部分を担っている企業だ。

アカマイのリアルタイム・ウェブモニターによれば、現在、トラフィックは平均より50%以上増加している。

50%の増加は少ない方だ。アカマイの最高経営責任者(CEO)であるトム・レイトン(Tom Leighton)は、Business Insider(もちろんアカマイのサービスを経由して配信されている)のインタビューで、2020年第1四半期のピーク時のトラフィック負荷は前年同期の倍になったと語った。

レイトンCEOは、ウェブのトラフィックは年々増加しているが、最近の大幅な増加にはコロナウイルスのパンデミックが関与していると指摘する。

「自宅で仕事をする人が多くなり、子どもが学校に行かず、家で過ごす時間が増えたためだと思われる」

レイトンCEOは、コロナウイルスがインターネットに与える影響や、我々のウェブ依存度の上昇によるネットワークへの負荷についてはまったく心配していないと言う。実際、インターネットユーザー、少なくともアカマイが配信するインターネットの一部を利用しているユーザーにとっては、大きな違いを経験することはないだろう。

そして、一般的なインターネットユーザーは、最終的にアカマイのサービスを使用する企業のサイトやサービスにたどり着く可能性が高い。それにはアメリカの大手銀行、主要なECサイト、ライブ・ストリーミング、オンラインゲーム、ソフトウェアのダウンロードサイトなどが含まれる。

アカマイのサービスへの過負荷による影響が生じた場合、ストリーミングビデオの品質低下、ダウンロード時間の延長などが発生する可能性がある。

コロナウイルスによるトラフィックの増加が、アカマイのパフォーマンス、そしてインターネットへのアクセス全般に長期的にどのような影響を与えるのか、最終的な結論を出すには早すぎる。今のところ、インターネットに起こり得る最悪の事態は「パフォーマンスが低下すること」だとレイトンCEOは言う。そして、まだそこには至っていない。

3/19(木) 12:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200319-00000003-binsider-int