湯田温泉につかるカピバラ=木村透教授提供
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 山口大共同獣医学部が、カピバラの入浴を通じて湯田温泉(山口市)の泉質のリラクセーション効果などを調査する研究を本格化させている。現在研究費用をクラウドファンディング(CF)で募っており、木村透教授(実験動物学)は「湯田温泉という素晴らしい資源を活用して、地域のにぎわいをもっと向上させたい」と支援を呼び掛けている。

 皮膚科学を研究してきた木村教授は、カピバラを飼育する「秋吉台自然動物公園サファリランド」(山口県美祢市)や湯田温泉配給協同組合、同旅館協同組合と協力し、湯田温泉の湯にカピバラを入浴させる試験を約3年前から続けてきた。

山口大共同獣医学部の木村透教授=山口市吉田で2020年3月3日午前11時14分
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 元々南米のアマゾン川流域などに生息するカピバラにとって、寒くて乾燥する日本の冬は厳しく、毛や肌が荒れてしまう。実験では冬季の3週間に毎日約15分、カピバラを湯田温泉の源泉に入浴させた。皮膚の水分量や体温をみるサーモグラフ計測などを通じて、毛並みや皮膚状態の改善、美白効果や高い保温効果が確認されたという。

 今回のCFでは、さらに湯田温泉の「リラクセーション効果」に焦点を当てる。温泉につかって気持ちよさそうに目を細めるカピバラの表情を視覚的に判断したり、心拍数の変化などを捉えたりする予定という。また保温効果のメカニズムなども分析する。

 木村教授は「動物でリラクセーション効果が得られれば人間にもつながる。温泉を使ったメディカルケアなどに結びつけたい」と意気込んでいる。

 目標金額は100万円で、CFは3000円から寄付できる。4月24日まで。CFサイトは( https://readyfor.jp/projects/32196 )。

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