0001首都圏の虎 ★
2020/03/22(日) 12:45:58.26ID:cA44mAMv9【3月22日 AFP】「偽ニュースのゴッドファーザー 」とあだ名されるクリストファー・ブレア(Christopher Blair)氏(48)が発信している情報は、容易に識別可能な風刺である──少なくとも本人はそう主張する。
米北東部メーン州にある自宅を拠点に活動するブレア氏は、八つのウェブサイトと五つのフェイスブック(Facebook)ページを持っている。それらの媒体は数百万人の読者を引きつけ、そして一部の読者がそこに書かれていることを真実として捉える。
自らが発信する情報についてブレア氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の任期が3年延長されたといったような「ばかげた」類いのものだと話す。しかしこれを信じた人々が広くシェアすることによって、オンライン上に偽情報が拡散する一因となるのだ。
「リベラルなネットの荒らし」を自称する政治活動家のブレア氏は、ターゲットである右派の読者のために何を書けばよいのか、「彼らの世界に深く入り込んだ」数年の経験を通じて分かっているという。
「彼らが糧としているのは…恐怖と憎悪とデマ、それから彼ら以外の誰もが真実ではないことを知っている非常に特殊なストーリー展開だ」とAFPの取材で語った。
ブレア氏のコンテンツは免責条項でいっぱいだ。「これは風刺です」「事実検証なしのフェイクニュース」「このページの内容はどれも現実ではありません」。ヘッドラインを見て同氏のコンテンツをシェアしようとすると、画面には免責事項が表示される。
だが、多くの人は気にも留めない。人々はなぜそうした記事を信じてシェアするのかと尋ねると、ブレア氏は「確証バイアスだ」と答えた。
「そういった人々は、自分がシェアしようとしている記事は風刺だと言われても気にしない」
「真実はもはや彼らにとって重要ではない。彼らが気にかけるのは、憎悪と恐怖にしがみつくことだけだ」
偽情報の拡散は、今年の米大統領選でも深刻な問題だ。だがブレア氏は、自分の読者らはすでに意思を固めており、自分のストーリーが「投票を左右することはない」と言い切る。
■憎悪に満ちたうそ
「われわれのコンテンツをシェアする読者は、真実など気にしない。彼らは1日に500件ものシェアをするが、その大半は憎悪に満ちたうそだ。われわれのストーリーをシェアすれば、(免責事項によって)説明責任が果たせる」
読者らの行動についてブレア氏は、「200〜300人のネット荒らし集団」となってウェブページを巡回し、シェアした先でコメントする人々に申し開きができるかどうかを確認しつつ、これらがあくまで風刺記事だと言って拡散しているのだと話す。
「彼らは、理論や道理といったものには全く反応しない。しかし、自分らの行動に対しての批判には反応する。(偽情報の)シェアへの批判だ」
しかしブレア氏の手法を「無害」と考える人ばかりではない。
米シンクタンク大西洋評議会(Atlantic Council)で、偽情報の追跡と発見を手掛けているデジタル科学捜査研究所(Digital Forensic Research Lab)のグラハム・ブルーキー(Graham Brookie)氏は、「こうした類のコンテンツは広まりやすく、人々が共有する事実の侵食する。事実の共有がなければ、皆で協力して集団的決定を下すことのできる社会の維持は難しくなる」と指摘している。
■ユーモアのセンス
フェイクニュースの帝王となる以前は、住宅改修の仕事をしていたというブレア氏。政治ブロガーとして活動していた2016年に「America's Last Line of Defense(アメリカ最後の防衛線)」と題するサイトを立ち上げた。ブレア氏の他に2人が寄稿しているという同サイトと、そこから派生した複数のウェブサイトは昨年、2600万ページビューを記録している。広告収入もあるようだが、その金額については明らかにしなかった。
ブレア氏らは、論争となりやすいコンテンツを制作してはいるが、それでも踏み込んではいけない領域はあると語る。それは、選挙の投票日が変わったというたぐいのものだ。
また、自らの仕事に批判的なスタンスの人々に対しても一言あるようで、サイト内の「私たちについて」の項に辛辣(しんらつ)なメッセージが掲げられている。「ここの記事を真面目に捉え、他の人に事実としてシェアできるようなら、今すぐにここから出て行ってください。まずはユーモアのセンスと空気を読むすべを身に付ける必要があります」 (c)AFP/W.G. Dunlop
2020年3月22日 9:00
https://www.afpbb.com/articles/-/3271141