コロナ感染防止願いお札復刻 鬼の姿「角大師」家庭用に、滋賀の寺

 新型コロナウイルスが世界的広がりを見せる中、感染拡大防止を願い、延暦寺の中興の祖と尊ばれる元三大師(がんざんだいし)良源の生誕地とされる玉泉寺(長浜市三川町)が、疫神病除(やくしんやまいよけ)のお札を復刻した。玄関先に貼り、コロナウイルスを撃退してもらいたいとしている。

 元三大師は平安時代、都に疫病が流行すると、自ら角を生やした鬼の姿「角大師」になり、その姿を版木にしてお札を作り、疫病を鎮めたという伝承が残っている。「人にうつさない。自身もかからない」というゆるぎない気持ちを、人々に持ち続けてもらおうと、吉田慈敬住職が復刻を思いついた。
 お札は、玉泉寺が延暦寺大林院から昨年3月に譲り受けたといい、角大師に変身した元三大師の姿とともに「元三大師疫神病除」という文字が記されている。今回の復刻は、家庭用に貼りやすい大きさ(縦13センチ、横5センチ)に印刷し直した。
 吉田住職は「人間は天変地異や老、病、死の苦から逃れることができない。今回の災いを教訓に、天地や自然に感謝し、共助、共生の精神を見直してほしい」と話した。お札は本堂で、志納で配布している。

コロナウイルス感染拡大の終息を願い、復刻したお札(長浜市三川町・玉泉寺)
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2020年3月26日 19:20 京都新聞