キヤノンの医療機器子会社、キヤノンメディカルシステムズは26日、開発中だった新型コロナウイルスの迅速検査システムが、感染症対策として国などが行う「行政検査」の手法として認定されたと発表された。今後、国が指定する病院や空港などの施設で使われる。40分程度でウイルスの有無がわかるため、当日検査が必要な場面で活用が見込まれる。

キヤノンメディカルが長崎大学などと開発を進めてきた。人の鼻や咽頭の粘膜から抽出したウイルスの遺伝子を増幅させて蛍光で光らせて見つける。検出に必要な前処理も含めて40分で済むため、同様にウイルスの遺伝子を増やして種類を調べる「PCR法」よりも大幅に時間を短縮できる。

キヤノンメディカルのシステムが採用したのは「LAMP法」と呼ぶ検査技術。PCR法が加熱・冷却を繰り返しながらDNAを増幅させるのに対し、LAMP法は一定の温度を維持しながら遺伝子を増やす。遺伝子の増幅効率が高く、検査装置も小型で済む。

2020/3/26 21:05
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57290670W0A320C2TJ1000/