オランダ金融大手のABNアムロは26日、顧客による金融取引の失敗で2億ドル(約220億円)の損失が生じたと発表した。

新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場が荒い値動きとなるなか、米国の顧客が手掛けていたデリバティブ(金融派生商品)取引の持ち高が悪化し、仲介していた同社が強制決済を余儀なくされて損失を被った。

損失は、投資家に売買仲介や決済などのサービスを提供する傘下のABNアムロ・クリアリングで起きた。

特定の顧客1社が米国で行っていた先物・オプション取引に失敗し、迫られた証拠金の追加差し入れができなかった。

ABNアムロは傷が広がるのを防ぐため持ち高を強制的に手じまい、損失を負担することになったという。

損失は2019年12月の連結純利益の1割弱にあたる規模で、20年1〜3月期決算に計上する。

顧客の取引失敗の背景について「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市場の取引量と変動率が前例のないものになったため」だと説明した。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57299090W0A320C2000000/?n_cid=SNSTW001