野田市の小学四年栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が死亡した虐待事件を受け、野田市は県柏児童相談所との役割分担を明確化し、具体的な連携のルールを定めた「市児童虐待防止対応マニュアル」を策定、三十日発表した。

 事件では関係機関の対応や連携の不十分さが問題となり、市が関係機関と共有するマニュアル作りを進めている。市によると、マニュアルでは、要保護児童対策地域協議会の個別支援会議の開催が必要なケースを明記。心愛さんの場合、リスクを把握していたにもかかわらず、個別支援会議は一時保護解除後の二〇一八年五月に一度開かれただけだった。

 児相の一時保護中に会議を開き、地域による見守り、支援スケジュール、家庭復帰後の役割分担などについて話し合う。昨年十一月から順次、運用を始め、市がケース記録を全て入力する「児童虐待防止管理システム」をフル活用し、会議の開催につなげる。

 児童の安全確認は、国や県の四十八時間ルールより迅速に行い、性的虐待の恐れがある児童は、聞き取り回数を減らすことなどを盛り込んだ。

 五月に開く合同委員会で報告し、意見を求める。

 「市児童虐待事件再発防止合同委員会」の委員長を務める今村繁副市長は「改善点があれば随時、見直していく」と話した。二〇二〇年度中に学校、保健センター、警察など関係機関ごとにマニュアルを策定する方針。(林容史)

2020年3月31日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/202003/CK2020033102000123.html
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