菅義偉官房長官は2日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、布製マスクを1世帯2枚ずつ配布する政府の方針について「洗剤で洗えば何度となく利用できる。増加しているマスク需要を抑制するという意味でも有効だ」と説明した。費用は1枚200円程度となる見通し。政府は1億枚を配布する予定で、単純計算で計約200億円に上る。
 マスク品薄への不安解消を狙った政府の方針に対し、野党は「それだけで国民の不安は払拭(ふっしょく)できない」(福山哲郎立憲民主党幹事長)などと指摘。「マスク不足なので配布を否定はしないが、経済対策が出ていないのは非常に遺憾だ。マスクと共に、補償もしますと言ってほしかった」と、休校要請やイベント自粛などに伴う損失補償の必要性を訴えた。

 米国では大人1人に約13万円の現金給付を打ち出すなど主要国が国民への支援を表明する中、日本は全世帯に行き渡る初めての施策が「布製マスク2枚」。ライブハウスやナイトクラブなど利用自粛を名指しされた事業者からは「それだけの予算を投じるなら補償を」と悲痛な叫びが上がっている。安倍晋三首相は56兆円だったリーマン・ショック時を超える過去最大規模の緊急経済対策を表明している一方、公費での補てんは否定している。

[ 2020年4月3日 05:30 ]
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