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航空機を利用した小型衛星の打ち上げ事業を手掛ける米企業の拠点「スペースポート(宇宙港)」に、
大分空港(国東市)がアジアで初めて選ばれた。離着陸や機体整備などに使われ、早ければ2022年から
打ち上げが始まる見通し。小型衛星は気象観測や測位、通信などの分野で世界的に需要が高まる。
実現して軌道に乗れば、大分県内での関連ビジネス拡大など産業振興が期待できそうだ。
 
米企業はヴァージン・オービット社。音楽や航空事業などを世界展開するヴァージングループ傘下で、
商用や政府用の需要が増す小型衛星の打ち上げサービスを始めるため2017年に設立された。ロサンゼルスが拠点。
 
「水平型打ち上げ」と呼ばれる方式を取る。改良した航空機に小型衛星を格納したロケットをつり下げ、
空港から離陸後に太平洋上などで発射。宇宙空間でロケットから衛星を切り離す。ロケットに搭載可能な重さは500キロまで。
 
まだ実績はないが、既に米グアム島、英コーンウォール州を拠点にした実施計画を公表している。
 
アジアにも拠点をつくろうと、19年6月にANAホールディングス(東京都)と候補地探しや航空機整備などに関する協定を締結。
宇宙港の日本誘致に動く一般社団法人スペースポートジャパン(東京都)の協力も得て、大分空港が最適と判断した。
 
関係者によると、大分空港は3千メートル級の長い滑走路があり、航空便の混雑がないことなどが決め手になった。
観光県で鉄鋼、石油化学、自動車、半導体と製造業の基盤も整っており、宇宙港と連携した地域産業振興の可能性も評価されたという。
 
ヴァージン社と県は2日夜、計画を明らかにした。県は同社と提携し、「開港」に向けた準備や手続き、環境整備を進める。
 
国内のロケットの打ち上げ拠点は、種子島宇宙センター(鹿児島県)など垂直発射型が4カ所にある。


ヴァージン・オービット社のテスト風景。飛行中の航空機から小型衛星を搭載したロケットを発射し、宇宙空間に打ち上げる
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