白老町に整備されたアイヌ文化復興拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)の24日開業について、政府は延期も視野に検討していくことが2日分かった。新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえたもので、政府関係者は苫小牧民報社の取材に「専門家の意見を踏まえるなど状況を見て判断したい」とし、近く方向性を決める見通しだ。

 政府関係者は「24日開業の変更を決めているわけではない」としながらも、東京など大都市圏を中心に新型コロナ感染者が急増していることを念頭に「状況次第では延期はあり得る」と述べ、延期を含めて開業日の方向性について総合的に判断していく考えを示した。

 また、24日の開業に先立って18日にウポポイ内で予定している政府主催の開園記念式典に関しては「予定通りの開催。だが、状況次第では延期、中止の選択もあり得る」としている。

 ウポポイは、アイヌ民族の伝統文化の継承と発展、理解促進のナショナルセンター。国は白老町のポロト湖畔に、アイヌ民族をテーマにした日本初の国立博物館・アイヌ民族博物館と、古式舞踊の上演や体験プログラムを提供する国立民族共生公園、民族の遺骨を保管する慰霊施設を整備。年間来館者100万人を目標に掲げ、開業準備を進めてきた。

 町関係者によると、2日に町役場へ政府関係者から開業日に関して「(新型コロナ感染が拡大する中で)専門家の意見を踏まえ、延期を含めて幅広く検討したい」といった趣旨の連絡が入ったという。町は「情報収集に努めたい」としている。

4/3(金) 16:36配信
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