経営難のため1日に事業を縮小したNPO法人「ふうどばんく東北AGAIN(あがいん)」(宮城県富谷市)に、600万円の現金が郵送で届いていたことが3日、分かった。匿名の手紙が同封されており、生活困窮者や支援団体に食品を無償提供する活動に賛同し、篤志家が寄付したとみられる。スタッフらは「大変ありがたい」と喜んでいる。
 ふうどばんく東北によると、2日正午ごろ、事務所の郵便受けに封筒2通が届いた。開封したところ、白い紙に包まれた100万円の札束が六つあったという。消印は仙台市太白区の新仙台郵便局だった。添えられた便箋1枚には「お役に立てたら幸いです コロナ渦中健康にお気をつけください」とだけあった。
 ボランティアスタッフの富樫花奈さん(38)は「インスタントみそ汁の寄贈かなと思って開けたら、びっくり」。即座に理事と銀行を訪れ、ひとまず全額を預けたという。今後、早急に理事会を開催し、多額の寄付の使い道を話し合う。
 白木福次郎理事は「食べ物に困る人たちへの支援が続けられる。現金を送ってくださった方には感謝の言葉しかない」と話した。
 フードバンク事業は、企業や個人から集めた食品を生活困窮者にそのまま届ける仕組みで、運営資金を生み出すことが難しく、ふうどばんく東北も苦境に陥った。全職員9人を3月末に解雇し、1日から理事ら役員とボランティアスタッフだけの運営体制とした。
 3月29日付の河北新報朝刊で苦境を報じたところ、この他に約30人から計17万円の善意が寄せられた。引き続き、会費収入の拡大を目指して会員募集を強化するとともに、寄付金や食料を募る

2020年04月04日土曜日
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