新潟市西蒲区角田浜の急斜面上に日本海側沿岸部で最北の前方後円墳があることが4日、分かった。岡山県倉敷市の古墳研究者、藤原好二さん(51)=倉敷埋蔵文化財センター=が地図上で墳形の起伏を発見し、連絡を受けた新潟大学名誉教授の橋本博文さん(66)らが測量調査を実施して確認した。海上交通に関係した有力者を埋葬した可能性があるという。

 これまで沿岸部最北の前方後円墳は西蒲区竹野町の菖蒲塚(あやめづか)古墳(全長53メートル)。今回の発見場所はその北西に約4・5キロ離れ、角田山から角田浜へと延びる尾根の先端部。標高は100メートル余りで日本海を一望できる。

 橋本さんは3、4日、文化財保存新潟県協議会メンバーと調査。前方部が海側を向き、全長は50メートルほどあった。菖蒲塚古墳が造られた古墳時代前期後半(4世紀後半ごろ)よりも早くに造られたと推定している。

 藤原さんが調べた地図は国土地理院の傾斜量図。地表面の傾きを白黒の濃淡で示してある。「菖蒲塚古墳の周辺を見たら、自然の地形とは違うものが見えた」ことが発見につながった。

 県内には600基以上の古墳があるが、ほとんどが円墳で、前方後円墳は7基しか確認されていなかった。その墳形は大和政権が最上級クラスに位置付け、特に重視した地方の有力者にも造営を認めたとされる。

 橋本さんは「海上からランドマークとなる山上に古墳があり、角田浜は越後平野の門戸に相当する」として、海上交通の拠点があった可能性も指摘している。

2020/04/05 10:10
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