住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 
今回は「東北沢」(東京都世田谷区)について、ライターの金子則男氏が解説する。

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毎年「住みたい街ランキング」を発表しているSUUMOが、今年から新たに「住民に愛されている街ランキング」を発表。
非常に興味深い結果が明らかになりました。「住みたい街ランキング」では圏外だった東北沢が、「住民に愛されている街ランキング」では7位にランクイン。
一方、お隣の下北沢は「住みたい街ランキング」では40位でしたが、「住民に愛されている街ランキング」では圏外だったのです。この“逆転現象”はなぜ起きたのでしょうか?

鉄道は小田急線のみ。しかも各駅停車の列車しか停まらず、日中は10分に1本しか電車は来ません。
ただ、新宿まで9分、大手町まで乗り換え込みで25分程度なので、不満を言うのは贅沢というものでしょう。隣の代々木上原や下北沢も歩ける距離ですし、
駅の北方面に住めば京王線の笹塚、南方面に住めば井の頭線の池ノ上駅が併用可能。また渋谷行きのバスも通っています。

道路状況は、カオス状態の下北沢よりは良好です。かつては小田急線の踏切が行く手を遮り、頼みの綱の井ノ頭通りは拡幅工事が一向に進まず、渋滞だらけのゾーンでしたが、
小田急線は地下化され、井ノ頭通りの拡幅工事も進み、状況は随分改善されました。甲州街道までもすぐです。ただ、駅前で進行中の拡幅工事はいつ終わるか分からず、ガードレールがない場所もそこかしこに存在。
下北沢駅付近では大規模な道路建設計画が進行中で、落ち着かない“様子見”の状態は当分続きそうです。

「人気タウンから歩ける駅」に注目集まる
「住民に愛されている街ランキング」では、「緑が丘」(東急大井町線)、「奥沢」(東急目黒線)、「井の頭公園」(京王井の頭線)、「西太子堂」(東急世田谷線)など、
「住みたい街ランキング」では絶対に上位に来ない街が上位に入りました。これらの駅の共通点は、人気タウンから歩ける場所にあること。緑が丘と奥沢は自由が丘から、
井の頭公園は吉祥寺から、西太子堂は三軒茶屋から歩ける場所にある駅です。そして東北沢も、下北沢から徒歩圏内です。

これは、“住みたい人”と“住んでいる人”の意識の差が如実に現れたものでしょう。誰もが住みたがる人気タウンは、確かに色々な魅力や刺激に満ちていますが、
家賃が高く、人混みにウンザリさせられるのも事実。その点、人気タウンから歩ける駅は、人気タウンのメリットを享受しつつ家賃を抑え、静謐な環境で暮らすことができます。

東北沢の街自体は、スーパーも飲食店もほとんどありませんが、そういったことは代々木上原か下北沢で済ませればOK。
どちらの街も、大きなスーパー、日常品が揃う店、舌の肥えたグルメを満足させる名店が揃っています。

家賃相場は9.75万円(ワンルーム・1K・1DK。ライフルホームズ調べ。
4月1日時点)と、かなり高めですが、広大な東大の駒場キャンパスが近くにあるため、学生を想定した激安物件もあります。
下北沢と代々木上原は、いずれも情報感度が高い人が集う街ですが、その両駅に挟まれた東北沢は、どちらの良いところも楽しむことが可能。
スタイリッシュなアーバンライフに憧れる方にとっては、理想的な街だと思います。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200411-00000003-moneypost-bus_all&;p=2
4/11(土) 13:00配信

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