東京都は、居酒屋を含む飲食店の営業時間を朝5時から夜8時までとし、酒類の提供は夜7時までとするよう求めました。
これに対して、政府の緊急事態宣言でほとんどの店舗を臨時休業にしている居酒屋チェーンの間からは戸惑いの声も上がっています。

「三光マーケティングフーズ」は、首都圏を中心に「金の蔵」や「東方見聞録」など、およそ70店舗の居酒屋を展開しています。

しかし、政府の緊急事態宣言を受けて、8日から居酒屋としての営業をすべて休止していて、東京 高田馬場など一部の店舗では定食を提供するなどしています。

こうした中、10日、東京都が居酒屋を含む飲食店の営業時間を朝5時から夜8時までとし、酒類の提供は夜7時までとするよう求めました。

ただ、この要請に従えば、最も売り上げが見込める夜間に営業ができないことから、当面は居酒屋として営業を再開することは難しいとしています。

広報を担当している西川絢さんは「居酒屋にとっては午後8時以降の売り上げが非常に大きいため、都の要請は実質的な休業要請だと感じる。
客や従業員の安全を考えても、外出の自粛要請が出ている中で居酒屋としての営業再開は難しい」と話しています。
居酒屋オーナー「難しい要請だが受け入れるしかない」
一方、都内の居酒屋では受け入れざるをえないという声が聞かれました。

東京 文京区にある居酒屋では、新型コロナウイルスの影響で3月以降、予約のキャンセルが相次ぎ、今月は客が1人も来なかった日もあるということです。

今月の売り上げは、例年の同じ月の半分以下に落ち込んでいるということで、少しでも売り上げを増やそうと今週から急きょ、ランチタイムの営業とテイクアウトの提供を始めました。

10日は、従業員が周辺のオフィスにチラシを配ったり、店頭で客の呼び込みを行ったりしていました。

また、この店では、ランチタイムの営業を始めたのに合わせて、閉店時間を約3時間前倒しして夜8時までに変更したばかりでした。

こうした中、10日に東京都が居酒屋を含む飲食店の営業時間を、朝5時から夜8時までとし、酒類の提供は夜7時までとするよう求めました。

東京 文京区の居酒屋「鮪専門店MEGRO」オーナーの高橋祐介さんは「夜7時というと、居酒屋はこれから盛り上がる時間で難しい要請だと思うが、
新型コロナウイルスの感染拡大を収束させるための措置なので受け入れるしかない。厳しい状況だが飲食店が休業すると仲卸や配送など取り引き先の会社が困ってしまう。
自分や従業員の生活を守るため、そして経済を少しでも回していくためにもテイクアウトなどできることをやっていきたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200410/k10012380131000.html
2020年4月10日 17時19分