(CNN Business) 米国は現時点ですでにリセッション(景気後退)の局面に入っており、上半期中はその状況から抜け出せない――。エコノミスト45人を対象にした調査からそのような観測が浮かび上がった。

エコノミストらは急激な短期間のリセッションが2020年の上半期に起こるとみている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、「経済活動が厳しく制限される」ことが要因だ。調査は全米企業エコノミスト協会(NABE)が手掛けた。

四半期ごとの経済成長率は1〜3月期で2.4%落ち込むと予測。続く4〜6月期は26.5%減の急激な縮小に見舞われるとした。

失業率は年央までに12%に跳ね上がる見通しで、4〜6月期には米国内で458万人が職を失う可能性があるという。雇用の喪失は、国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費にも悪影響をもたらすと考えられる。

一方でエコノミストらは、20年の下半期に入れば経済は盛り返すとの楽観的な見通しを示す。積極的な景気刺激策が奏功するというのがその理由で、年率では6%近い成長が期待できるとしている。

連邦準備制度理事会(FRB)は9日、中小企業などを支援するため新たに2兆3000億ドル(約250兆円)規模の資金供給を行うことを明らかにした。これ以前にも複数の融資計画や事実上のゼロ金利政策導入など、米経済を下支えするための対策を相次いで打ち出している。

https://www.cnn.co.jp/business/35152236.html