【やらかし先生から学ぼう】イタリアで感染爆発が起こった理由 かくしてあっという間に“医療崩壊”に陥った


https://wired.jp/2020/04/07/coronavirus-italy/

2020.04.07 TUE 19:00
実録:かくしてイタリアは新型コロナウイルスに飲み込まれ、あっという間に“医療崩壊”に陥った

新型コロナウイルスの犠牲者が一気に増え、欧州における“激震地”となったイタリア。公衆衛生と経済との選択を迫られた政治家が決断を遅らせ、実質的な医療崩壊が起き、うなぎ上りに死者数が増えていった──。その過程はほかの国にとっての貴重なケーススタディであると同時に、各国政府に迅速かつ躊躇なく行動を起こすよう警鐘を鳴らしてもいる。

TEXT BY ALESSIO PERRONE


イタリア国内で新型コロナウイルスの症例が初めて見つかったのは、1月29日のことだった。2人の中国人観光客の感染が判明して隔離できた段階で、イタリアの当局は欧州で最も安全な保護システムを準備できたと確信していた。

そして翌日には、ジュゼッペ・コンテ首相が6カ月間の緊急事態宣言を発令し、イタリアは世界に先んじて中国からのフライトの乗り入れを中止した。「イタリアでも感染者が出ることを予測していました。国民の皆さんはご安心ください。われわれは状況を収束させました」と、コンテは断言したのである。

ところがイタリアは、3月11日には中国の次に多い感染者数を出してしまった。ウイルスの感染を防ぐべく記者の人数が制限された記者会見では、国家市民保護局長のアンジェロ・ボレッリが最新のデータについて説明した。国内初の感染者が発見されたわずか20日後に、当局は12,462人の感染症例を確認し、827人が死亡し、集中治療室に入院していた患者数は1,028人に増えたのだ。   

そしていま、フランスやドイツ、英国など欧州各国へとエピデミック(局地的な流行)が拡大し、感染者数が急増している。イタリアの経験はケーススタディとしての役割を果たし、各国の政府に迅速かつ躊躇なく行動を起こすよう警鐘を鳴らすことになった。

しかし、なぜこのような状態に陥ったのだろうか。なぜ、イタリアであっという間に多数の死者が出たのだろうか。そして何よりも、この状況を回避することはできたのだろうか──。


ウイルスは1月半ばには広まっていた
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