◯ point
ラットの損傷した脳機能を人間の脳細胞で補完することに成功した

異種脳を組み合わせ、一つの脳として機能させることに成功したのは世界初

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近年のバイオテクノロジーの急速な発展によって、損傷・死滅した脳細胞を、外部で培養した脳細胞と置き換えることが可能になってきました。

しかも置き換える脳細胞は、必ずしもホストと同じ動物である必要がなくなってきたのです。

最近の実験でも、ラットの脳に人間の脳細胞を移植して長期間生存させることに成功しています。しかし、移植された人間の脳細胞がラットの脳で役割を獲得し、両者の間で神経接続が成立したかどうかはわかっていませんでした。

ですが今回、スウェーデンの研究者が、脳卒中に陥ったラットの脳に人間の脳細胞(iPS細胞から作成)を移植したところ、人間の脳細胞がラットの脳細胞と神経接続を確立していることを発見しました。

また新たに確立された異種神経接続はラットの脳の広範に及び、脳卒中により失われていたラットの運動能力と感覚機能を回復させていたことも明らかになりました。

これは異種脳を組み合わせ、一つの脳として機能させることに成功した最初の事例となります。

この「脳細胞置換」技術によって、ラットの頭蓋骨内部における人間の脳細胞の割合を、100%まで増やすことが可能となるでしょう。

また、倫理的な問題を乗り越えれば、人間の頭蓋骨の中身を他の動物や、遺伝改良した優秀な人工細胞で満たすことができるかもしれません。

しかし私たちは、そのような生物をこれまでと同じく「ラット」「人間」と呼んでもいいのでしょうか?

研究内容はスウェーデン、ルンド大学のサラ・パルマ・トルトーザ氏らによってまとめられ、4月6日に学術論文「PNAS」に掲載されました。

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引用ここまで。全文は下記よりお願いいたします。
https://nazology.net/archives/56445