「病が流行ったら私の絵を描いて人々に見せよ」−。新型コロナウイルスの感染が広がる中、疫病を払うと伝わる妖怪「アマビエ」に注目が集まり、全国の和菓子屋では関連菓子を製作する「アマビエチャレンジ」が広まっている。山形市の和菓子屋でも疫病退散の思いを込め、カラフルでかわいらしいアマビエの生菓子作りが始まった。

 山形市の「戸田屋正道」(戸田健志社長)は、淡い緑やピンクの練り切りで表現した上生菓子「アマビエ様」を15日から販売している。「きもかわな形にした。自粛ムードが続くが、くすっと笑ってもらえたら」と話す。

上生菓子「アマビエ様」
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 全国でアマビエの姿の菓子を作って会員制交流サイト(SNS)に投稿する動きを受けて、戸田社長も菓子のデザインを考案。この時期は例年、キリスト教の復活祭「イースター」(4月12日)に合わせた菓子を作っていることから、イースターのモチーフとなる卵やウサギを妖怪にイメージと掛け合わせた。独特の目の模様は、手作りしたダイヤ型を押し付けている。

新型コロナの終息を願い、上生菓子「アマビエ様」を作る戸田健志社長
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 店のSNSで紹介したところ反響が大きく、買いに来た人は「やれることはやったし、後は神頼み。会社で配る」と20個を購入したという。

 新型コロナの対応で昼夜奮闘している医療関係者を支援したいとの思いから、収益の25%は「新型コロナウイルス感染症 拡大防止活動基金」に寄付する。

 戸田社長は「外出を自粛する人が増え、客足が減った。逆に時間があるから、手の込んだ菓子が作れる。家族と過ごす時間の話題になれば」と話した。1個385円。待ち時間を少なくするため、予約を勧めている。

 また、同市の乃し梅本舗佐藤屋(佐藤慎太郎社長)でも、上生菓子「アマビエ」(1個540円)を予約のみで限定販売。桜あんを練り切りで包み、海から出てきた光り輝く姿を金箔(きんぱく)などで表現した。

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