https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200417-00060204-jbpressz-n_ame
■ 中国人、日本人の区別つかない米社会

 新型コロナウイルス禍が収まるどころか、拡大し続ける米国。

 頭に来たドナルド・トランプ大統領はカリフォルニア州知事やニューヨーク州知事(ともに民主党)と非常事態宣言解除をめぐる権限で大げんか。

 返す刀で今度は「中国寄り」に終始してきた(? )エチオピア人のテドロス・アダノム世界保健機関(WHO)事務局長に矛先を向け、同機関への拠出の一時停止を決定した。

 その災危は筆者にもひたひたと迫っている。

 スーパーに行っても郵便局に行っても周りの冷たい目を肌で感じる。こちらを避けようとする素振りが見え見えなのだ。

 読者諸兄姉は、「第2次大戦中ならいざ知らず、これだけ強固な同盟関係を結んでいる米国でなんで嫌われるんだい」と言われるかもしれない。

 さらに「それに責任は中国人にあるのであって日本人は日本人で中国人とは関係ない話だ。断固抗議せよ」と言われるだろう。

 あるいは、「白人優先の一部白人のアジア人蔑視、人種差別だろう」と問題視されないかもしれない。

 ひとたび日本に戻って大和民族「単一国家」(実は日本にも多種多様な民族が住んでいることは百も承知だが)で日本人として生活すれば無関係な話で済む。

■ 大統領候補だったヤン氏: 「Chinkと呼ばれた頃を思い出す」

 でも日本に生まれ、日本で長いこと新聞記者をやり、その後米国に住み着いた純粋日本人の筆者が今現実に直面しているこれが現実である。

 さらに腹立たしいのは、「元凶」たる中国からこの国に住み着いた中国人の子孫が自分たちへの攻撃から身をかわすために「中国色」を消して、日本人も含む「アジア系米国人」として振舞い出している。

 それが日本人にとっては迷惑千万なのだ。

 しかも、かつて祖国であるアメリカ合衆国からも裏切られたにもかかわらず、自分たちの米国に対する愛国心を身をもって示すために戦場に赴き死んでいった日系部隊を持ち出したとなると、心穏やかではない。

 第2次大戦中の日系部隊の奮闘ぶりを、日本人ではなく、「中国人」を含む「アジア系米国人」の忠誠心を「立証」する実例として利用しているのだ。

 米大統領選の民主党予備選に出馬し、一躍有名になった中国系起業家のアンドリュー・ヤン氏(45)がワシントン・ポストに一文を寄せた。

 「私たちアジア系アメリカ人は新型コロナウイルスなんかじゃない。私たちはウイルスを撲滅するための解決の一翼を担うことができるのだ」

 (https://www.washingtonpost.com/opinions/2020/04/01/andrew-yang-coronavirus-discrimination/

 ニューヨーク在住のヤン氏はこの中でこう述べている。

 「妻と子供2人で近くの食料品店に行った。並んだ列にいた2人の男が私たちをじろじろ見ていた」

 「あたかも厄介者が来たかのような目つきで割発ちたち家族を見ていた。子供の頃、車越しに白人のティーンが『Chink』(日本人をJapと蔑んだのを同じで中国人に対する蔑視語)と叫んだ時を思い出した」

 「新型ウイルス発生以後、米国内におけるアジア系米国人が各地で差別されたり、危害を加えられている」

 「新型ウイルスとわれわれとは何の関係があるというのか。顔が(欧州系米国人や黒人と)違い、中国に住む民族と同じだからと言ってなぜ迫害を受けねばならないのか」

 「かつて第2次大戦中、日系米国人は『敵性外国人』とみなされ、強制収容所に入れられた」

 「その中から18、19の若者たちが米国への忠誠心を示すために米軍に志願入隊し、戦った。アジア系は他の人種に負けないくらい米国に対する忠誠心を立証してきた」

 「今アジア人がやらなければならないのは新型ウイルスを抑え込み、問題を解決することだ。そうすれば、いかなる人種主義も消滅するに違いない」

 「米国に住むアジア系米国人は今こそ、自分たちの愛国心をそれぞれの持ち場で示すことだ。自分たちが米国民であることを明確に示すことだ」

(略)