新型コロナウイルスの急拡大により緊急事態宣言が発令され、全国各地が感染対応に追われている。そのようななか、今国会において農家の自家増殖を禁止する種苗法改定案の審議入りが予定されている。こうした状況を受け、日本の種子を守る会(八木岡努会長)は9日に種苗法改定案審議入りに反対する声明を発表し、種苗法改定の拙速な審議入りを延期することを強く求めている。

 すでに先月農水省が改定案を国会に上程しているが、これが日本の農漁業に大きな影響を与え、国民の食と命を脅かすものであるという危機意識が全国に広がっており、最近では種苗法改定案について慎重な審議を求める意見書提出の動きが広がっている。しかし、現在のコロナウイルス騒動のもとでは農漁業者の幅広い意見を反映したり、慎重な審議がおこなわれることは不可能である。

 さらに声明では、法改定やゲノム編集技術の問題点等について整理し、全国民へ向けてあらためて問題を提起している。以下、声明文の要旨を紹介する。

農林水産省は、本年3月に種苗法の一部を改正する案を国会へ上程した。これについて日本の種子を守る会としての見解を公表する。

 まず、この法案は農漁業者への影響が甚大であると想定されるので、充分な時間をとり農漁業者の幅広い意見を反映させて審議されるべきだと考える。したがって現在の新型コロナウイルス対応の緊急事態での拙速な審議は延期すべきである。

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