法務省の司法試験委員会は8日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月に全国で実施予定だった司法試験と予備試験を延期すると発表した。今後の日程は決まり次第、同省のホームページで告知する。同省によると、両試験の延期は初めてという。

 司法試験法では、司法試験と予備試験は年1回以上実施することになっている。今年の出願者は司法試験が4226人、法科大学院を修了せずに司法試験の受験資格を得られる予備試験が1万5318人だった。出願者一人ひとりに延期の連絡はしないという。
今年の司法試験は5月13〜17日、予備試験は同17日に短答式、7月に論文式、10月に口述の試験をそれぞれ実施する予定だった。

国家公務員試験も
 人事院は8日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が7都府県に出されたことを受け、26日に予定していた2020年度の国家公務員総合職の1次試験を5月24日に延期すると発表した。感染が収まらなければ、さらに延期する可能性もあるという。

 1次試験の延期に伴い、2次試験以降の日程も後ろ倒しにする。全国一斉の試験日程の延期や変更は、2011年度まで行われていた旧1種試験を含め、人事院の担当者は「記憶にない」と話している。

 1次試験は全国23都市で行われる予定だった。うち東京など6都市が緊急事態宣言の対象区域に含まれ、例年、半数以上がこの6都市で受験していることから延期を決めた。昨年度の受験者数は約1万7千人で、今年度は今月6日までが応募期間だった。(小野太郎)

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