日本感染症学会は18日、都内で新型コロナウイルスのシンポジウムを開いた。

 尾身茂氏(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議・副座長)

 【発言要旨】

 【必要な検査が迅速にできる医療/PCR体制の強化】

 「(検査体制については)各地域で計画があり、後は実行するのみ。すでに大きな枠が決まっている。検査を1日1万3000件というキャパシティーがすでにあり、今後、2万件まで増やす。(実態は)1日4000件〜5000件だが、方向性は決まっており、オールジャパンでやるだけ。必要なのは議論ではなく、実行。検査試薬も必要な数だけ増やす必要がある」

 【重症化対策(効果が期待できる治療薬の観察研究の推進】

 「重症化リスクの高い人(高齢者・糖尿病・心不全、呼吸器疾患の基礎疾患がある、透析中、免疫抑制剤や抗がん剤を用いている)に肺炎が疑われる場合、4日を待たず、場合によってはすぐに相談する。1日目から治療をやってもらたい。メリハリが重要だ」

 【治療薬】

 「(薬の)治験結果が6月ぐらいまでに出る。緊急避難的に、効果が期待される治療や観察研究に関与する病院を増やしてもらいたい。アビガンとか吸入ステロイドを重症化リスクが高い人に対し、重篤な症状が出現する前に投与して欲しい」

 【今後の方針】

 「知事がリーダシップのもとに、医師らが地域の牽引者となり、早く相談をして、すぐに決定しないと、このウイルスとの戦いに勝てない。議論だけをすることは避けなくてはならない。医師としての責任感を果たし、(収束後)日本は人口10万人に対する死亡率が世界で一番低かった、ということを目指したい」

4/19(日) 8:00配信
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