山形「検温」賛否相半ば 来県者の体温測定、試行始まる

新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、山形県は18日、高速道路のパーキングエリア(PA)などで来県者の体温測定の試行を始めた。
大型連休中に県境を越える帰省や観光の抑止効果を見込み、25日〜5月10日に本格実施する。
評価する見方の一方、通勤で県境を越える人たちからは批判の声も上がった。


山形自動車道下りの山形蔵王PA(山形市)では午前10時〜午後4時、マスクや顔を覆うフェースシールドを着けた県職員が、入って来る一般車の運転席に近づいた。
「体調はいかがですか」。協力者に声を掛け、非接触型の体温計をかざして検温したり、不要不急の外出自粛を要請するチラシを渡したりした。

県内感染者(18日現在60人)の大半が県外からの経路で感染したとみられ、県は16日の危機対策本部会議で実施を決めた。
発熱が判明した場合は外出や他人との接触を避けるよう勧め、症状が改善しない場合は受診相談を促すが、来県自体は拒まない。


仕事で山形道を利用した山形市の会社員山田剛さん(52)は「安心感につながる取り組み。中長期的に実施してほしい」と評価。
仕事で置賜方面に向かう仙台市若林区の会社員男性(57)も「個々の危機感を高める点でも意義がある」と取り組みに賛同した。

25日から検温実施場所となる米沢市の「道の駅米沢」の坂川好則駅長(67)は「山形県が感染防止に力を入れていることが伝わればいい」と理解を示した。

県の取り組みに複雑な心中を明かす人もいる。「山形の『いじわる作戦』と感じる」と話すのは、高速バスで仙台市まで通勤している山形市の団体職員男性(61)。
「逆に宮城県がやればどう思うだろうか。首都圏であればパニックになる」と憤った。


県の方針が明らかになると、仙台の人たちから「山形は関所を設けるのか」と皮肉られた。
「通勤や通学で仙山圏の交通網を利用する県民は肩身が狭く、苦痛を感じている」と話した。


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