0001暇人倶楽部 ★
2020/04/22(水) 08:12:30.33ID:u7lDAuXZ9ふわふわした茶色い毛の小型犬がマンション内をところ狭しと駆け回る。「死んだ愛犬そっくり。性格まで似ている」。北京近郊に住む40代男性の李さんは満足そうに目を細めた。
17年間飼ってきた雌のポメラニアンが死んだのは18年7月。「生後2、3カ月から育ててきた私にとって娘のような存在だった」。喪失感に苦しむ中、頭をよぎったのがクローンペットだった。死んだ犬の皮膚を冷蔵保存。昨年4月に北京のバイオベンチャー企業「北京希諾谷生物科技(シノジーン)」へ持ち込んでクローン作りを依頼した。
同7月に生まれたクローンの子犬は2匹。想定外だったが「喜びが増えた。引き取らないわけにはいかない」。死んだ犬とは別の名前を付け、日々成長を楽しみにしている。
クローンペットに対する批判は李さんも知っている。しかし「全ての科学技術には論争がある。クローンは成熟した技術で、倫理的にも問題はないと思う」と意に介さない。
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「ペットを亡くした飼い主の6割が心理的な病を患うという調査もある。クローン技術を生かしてペットロスを解消したいというのが私たちの思いだ」。シノジーン社の王奕寧・副総経理(44)は強調した。
17年末からクローンペット事業に着手。18年7月から一般向けにクローン犬を作り始め、昨年7月からクローン猫も作っている。費用は犬が38万元(約580万円)、猫が25万元(約380万円)。昨年末までに犬46匹、猫4匹のクローンを誕生させた。
クローンを作るにはまず、犬や猫の皮膚などから体細胞を採取する。皮膚は最低2ミリ四方が必要で、死後1週間以内に採取しなければならない。その後、体細胞から抽出したDNAを卵子に入れ、代理母の犬や猫の子宮に移植する。受注から6〜10カ月後にはクローンを渡すことができるという。米国と韓国にもクローン動物を作る企業があるが「比較的安価に提供できるのが私たちの強み」と王氏は強調する。
近年のペットブームを背景に、同社の顧客のほとんどは中国人が占める。中には愛犬を連れて中国を訪れ、クローン作りを依頼した日本人もいた。新型コロナウイルスがまん延した今年は、皮膚などを採取できない状態が続いているが、王氏は「中国国内の感染は収まりつつあり、クローンの作業も回復している」と話す。今年は80〜100匹の受注を目標に掲げる。
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クローン動物はペット以外にも活用が進む。シノジーン社は昨年、映画やCMに出演するタレント犬のクローンを誕生させた。高齢となったタレント犬の体力低下を懸念した所有事務所が依頼した。クローンの子犬は現在1歳。「外見だけでなく、集中力が高いところも似ている。訓練すれば映画にも出演できる」と好評だ。「実はクローンの子犬はもう1匹生まれており、弊社の広告塔として活躍してもらう予定だ」と王氏は明かした。
昨年11月には、北京市公安局が警察犬のシェパード2匹の皮膚から、クローン犬6匹を作り出したと発表した。6匹は記憶力や攻撃性など多くの面が類似。通常の警察犬より高い能力を発揮しているという。同じようなクローン警察犬は雲南省昆明市も導入した。中国当局の関係者は「クローン警察犬の大量化、優れた警察犬の“細胞倉庫”作りに向けて関係企業と協力していく」と話した。
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広がりを見せるクローン動物だが、課題も少なくない。その一つが成功率の低さだ。代理母は流産する割合が高いとされ、シノジーン社も「無事に生まれるのは3割程度」と認める。失敗に備えて複数の代理母を用意するのが一般的で、卵子を提供する別の雌も必要となる。クローン1匹作るのに、多くの雌に負担を強いているのが実態だ。
中国を含む各国はクローン人間の作製を法律などで禁じているが、クローン動物は明確な規制がない。国際的なルールの必要性が指摘されるが、動物の命や人との関わり方については、文化・宗教面から各国で考え方が異なり、議論は進んでいない。
※続きはソースで
https://news.livedoor.com/article/detail/18148393/
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