0001富豪立て子 ★
2020/04/22(水) 13:18:39.24ID:tbAKVMRG9前週末17日の終値が18.27ドルだったから、わずか1日で58ドル強も値を下げた格好となる。しかも、20日のNY時間の午前中までは、価格はかろうじて10ドル台を維持していたのだ。だが昼過ぎには10ドル割れ。その後、取引所が「5月限に限ってはマイナスの価格でも取引が可能」と発表したこともあって売りが加速、一気に値を崩した。
一体、価格がマイナスになるというのはどういうことなのか。実際問題として、そうしたことが起こり得るのだろうか。マイナス金利を初めて見た時も相当に混乱したが、「モノの価格のマイナス」というのはさらに頭の中が「?」「?」「?」と、クエスチョンマークだらけになりそうな状況だ。まずはマイナス価格が実際に起こった経緯と、その意味について説明したい。
商品先物市場では、納会直前に急激な価格変動も
実はこうした急激な価格変動というのは、商品先物市場ではたまにではあるが、起こることだ。もちろん平常時に起こるものではなく、先物の納会日(取引の最終日)の直前に、受け渡し(デリバリー)に絡む要因によるものがほとんどだ。
NYダウ平均やS&P500種などの株価指数先物市場と比べると、違いがよくわかる。これらは、納会を迎えれば現金決済をするのに対し、商品市場では納会日までポジションを持ち越した場合、実際にその商品のデリバリーが行われる。これが両者の大きな違いである。
商品市場は先物市場とは別に現物取引の市場があり、それぞれの価格は日々変動している。現物市場と先物市場の価格差は「ベーシス」と呼ばれ、主にその商品の保管コストや金利が反映されたものとなっている。通常の場合、先物市場の価格は、納会日、つまりはデリバリーが近づくにつれ、徐々に現物価格に収斂されていくことになる。
現物市場でそれなりの需要と供給がある時には、納会日の取引も特に問題なく進み、受け渡しが行われる。だが、その前後に現物市場で需給のバランスが崩れている場合には、一筋縄ではいかなくなる。
現物市場で供給が不足している場合には、先物の売り手がデリバリーに必要な商品を調達することが出来なくなり、先物市場で買い戻すことによってポジションを解消せざるを得なくなる。
一方買い手も、そうした状況は百も承知である。焦ってポジションを手仕舞う必要はないので、売り手が切羽詰まって買い戻しを入れてくるのを、手ぐすねを引いて待っていればよいのだ。売り手は現物を調達することが出来ず、受け渡しの不履行に陥るのを避けるため、最後は価格などお構いなしに買いを入れてくることになる。こうした状況を業界ではスクイーズと呼んでおり、一度そうした状況が起これば、20%や30%は簡単に価格が急伸してしまう。
一方今回は、スクイーズとは全く逆の現象が起こってしまったというわけだ。新型コロナウイルスの感染拡大によって、アメリカの国内でガソリンを中心に需要が大幅に減少してしまった。市場が極端な供給過剰に陥る中、ここ1カ月ほどは在庫が急速に積み上がっていた。
取引所によって受け渡しの地点に指定されている、オクラホマ州クッシングの在庫は特に積み増しのペースが速く、4月15日に発表された米エネルギー省の在庫統計では、貯蔵施設の能力限界に近いところまで在庫が増加、関係者の間では話題となっていた。
需要が大幅に減少し、しかも貯蔵施設もほぼ満杯という状況では、だれも現物の原油など欲しがらない。実は、現物市場では先週17日の金曜日にテキサス州産の現物価格が1バレル=2ドル台に急落するなど、先物市場よりも一足先に価格崩壊が起こっていたのである。
お金を払ってでも「粗大ゴミ」を引き取ってもらいたい
油田というものは、一度掘削機のスイッチを切り、生産を止めてしまうと次に生産を再開する際には多大なコストが生じる。そのため、たとえすぐに原油が売れなくとも生産を続ける方が安上がりになるという特殊事情がある。
貯蔵施設に余裕がある時はそれでも良かったのだが、施設が満杯になってきたことで事情が変わってきた。何とかして買い手を見つけ、手持ちの原油を裁かなければ、生産を続けることも難しくなってきたのだ。
いよいよ現物市場で売ることが難しくなった生産者にとって、残された最後の手段となったのが、先物市場で売って、そのままデリバリーをするという方法だったというわけだ。
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https://toyokeizai.net/articles/-/346024