政府が新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言を7都府県に発令してから21日で2週間となった。
16日には対象地域が全都道府県に広がったが、都市部の平日の人出は通常時の4〜7割減にとどまり、感染拡大の傾向が続く。
5月6日までを期間とする宣言について、専門家や政府関係者は「解除は困難」とし、延長は避けられないとの見通しを示す。

安倍晋三首相は二十一日、官邸で記者団に「最低七割、極力八割、人との接触機会を減らす協力をいただいているが、まだ地域によっては不十分だ」と指摘
全国各地で患者が急増し、医療現場が逼迫(ひっぱく)していることへの危機感を訴えた

政府は感染を防ぐため、接触機会の八割削減を呼び掛けているが、目標には届いていない。
内閣官房が二十一日に公開した主要駅周辺の人出の増減率によると
大阪・梅田73・1%減、東京・新宿69・2%減が七割前後。兵庫・三ノ宮53・0%減、福岡・天神56・2%減などは六割に満たない。

政府専門家会議のメンバーで日本感染症学会の舘田一博理事長は、本紙の取材に「個人的な意見だが、五月六日の宣言解除はかなり厳しい」
と話す。

 国際医療福祉大の高橋和郎教授(臨床検査医学)も「中途半端に外出を控えた状況で、
あと二週間で解除するのは無理。解除されても、他国のように段階的な活動再開にすべきだ」との見方を示す。

政府は二十二日にも専門家会議を開き、さらなる取り組みの強化などを検討する。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020042202000176.html