■東京の感染者数は減少しているのか?

日本の中で最も感染者の爆発的増加が心配されるのは首都東京です。図1は東京都が発表している日ごとの感染者数です。これを見ると4月7日の緊急事態宣言発令以降、ピークは過ぎたのではないか、やや減少傾向にあるのでは、と考えてしまいます。

図1
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しかし、図2の検査件数を見ると愕然とします。検査件数も同じように減っているのです。つまり感染者数が横ばいや減少しているように見えるのは、単に検査をしていないからだけなのです。

図2
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注目すべきは検査件数に対する陽性者の割合(陽性率)。東京は検査数が日ごとに大きくぶれているので、一週間ごとの陽性率を計算してみました。2月は3%、3月になって4%、7%と増加し、3月末には18%に急増、4月は19%を維持しています。検査件数には、同じ人に複数検査した件数も含まれているという事ですので、実際の陽性率はさらに高いと考えられます。これは危険領域です。非常に多くの陽性者を見逃している可能性が高いと推定されます。
アメリカは日本よりはるかに多くの検査を行っていますが陽性率は20%程度で、専門家は、まだまだ陽性率が高すぎるので検査数を3倍は増やす必要があると訴えています。それが社会活動再開の最低条件だと主張しています。十分に検査をしているドイツは陽性率7%、韓国は3%です。20%以上の陽性率が続く東京は、非常に危険な状態と考えます。感染者数のみで一喜一憂するのではなく、真の姿をとらえる必要があります。

日本の状況
https://www.covid19-yamanaka.com/cont3/16.html