【バンダアチェAFP=時事】インドネシア・アチェ州の州都バンダアチェで21日、シャリア(イスラム法)に違反した6人に対する公開むち打ち刑が執行された。
 新型コロナウイルスへの懸念から、大規模な集会が広く禁止されている中での執行となった。

 当局者らは、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の規則は守っていると主張し、新型ウイルスが世界的に大流行しようとも、罰を与える邪魔はさせないと明言した。
 シャリアに基づく処罰を担当するバンダアチェの責任者は、「現状を踏まえ、通常行われる冒頭演説をはじめとする不必要な手順は省略しようと努めている」と述べた。
 さらに「簡略化のため、すぐむち打ちの執行に入った。むち打ちは継続されるが、関与する人々の数は制限している」と説明した。
 むち打ちを受けた人々のほとんどがマスクを着用しておらず、現場の写真からは、一部の参加者が濃厚接触の状態にあることが示唆される。
 アチェ州の公開むち打ちは、多くの人権団体から批判されている一方で、何百人もの見物人が集まることもある。
 しかし今回、公園内にある建物で行われたむち打ちを見に来た人はわずか十数人ほどだった。
 刑が執行された6人のうち、4人は飲酒した男性で、むち打ちの回数はそれぞれ40回。
残る2人はホテルの一室で一緒にいたという婚姻関係のない男女で、それぞれ20回以上むちで打たれた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=20200422039988a&;g=afp