東京都は休業要請の対象業種に「デリヘル(デリバリーヘルス)」を加えた。
対象期間は4月16日〜5月6日まで。
要請に応じた中小事業者には50万円、2店舗以上を有する場合は100万円の「感染拡大防止協力金」が支給される。

都内で十数年間営業しているデリヘルの経営者は16日、東京都に何度も連絡を入れて、申請における条件を確認した。

「お店のホームページ、ツイッターなどのSNS、広告媒体、ポスター、できればすべてのものに「休業要請協力店』であることを、期間中まで確実に明記してほしい」。担当者からはそう伝えられた。

対象期間が始まる16日きっかりに休業することを決めた。それまでの約2カ月は休業するかどうか悩みに悩み抜いた。「女の子の命と生活、両方を考えないといけなかったから…」

休業を決断はしたものの、「融資も断られました。長引けば、大手以外はもたないですよ」と消えない不安に日々さいなまれている。

●客はどんどん消えて今はほぼゼロ。

2月。売り上げは堅調。事務所に顔を出す広告代理店の営業マンも「日本は大丈夫っすよ」と軽口を叩く余裕があった。

3月。「テレビのニュース番組が『感染者数』を降水確率と同じように毎日伝えるようになりました」。右肩下がりに客は減って、例年の売上50%を記録した。

「うちで働いていた4大卒の女の子が4月から大手メーカーに入社したんだけど、入社式もなくて1カ月自宅待機です。3月中は『家にいても暇だから、デリに出勤したい』と言ってました」

4月。「壊滅ですよ。今月来たお客さんは10人いません。休業の直近1週間に限れば、ゼロです。ゼロ」

代理店営業マンの表情から余裕も消えた。「給料はもう払えない。身の振り方を考えとけ」と上司から言われたそうだ。風俗業界関連企業で連鎖倒産もあると思うと男性は話す。何人もの同業者が3月時点ですでに「店を廃業する」と話していた。

●表と裏の「女の子を守る理由」

客が減り続けても、男性は店を開けるかどうか最後まで考えあぐねていた。

「店の女の子を守らないといけない。守るにしても『表』と『裏』がある。感染リスクから女の子の命を守るためには店を閉める。これが表。本当にお金がない子もいて、その子たちを食わすために店を開ける。これが裏」

決断のために、在籍する約20人の風俗嬢に連絡を入れた。「これから10日間、いや1週間生きていける?」

ある程度の貯蓄や、頼れる家族がいることで「大丈夫」と答えた女性たちには、「あさってにも店を閉めるかもしれない」と伝えた。1人でも「大丈夫じゃない」と答える女性がいれば、休業要請に従わずに店を開ける覚悟もあった。しかし、幸いにもそういう子はいなかった。

「少し安心しました。こっそり営業しているのがバレて、SNSで叩かれでもしたら、20年コツコツ営業してきた信頼が消えてしまう」

●デリヘルの営業とネットカフェの営業はつながっている

デリヘルの営業がさらに困難になる地盤もできていた。ネットカフェに対する休業要請が関係している。ネカフェを「自宅」として利用していた生活困窮者だけでなく、デリヘルの女性もネカフェから去ることになった。

自前で「女性の待機所」を持っていないデリヘル業者は、営業エリアのネカフェをその役割に利用している。客から予約が入るまで、店からの連絡を待つ場所だ。「全国の3分の1のデリはそうしているのではないか」と男性は話す。

ネカフェが臨時休業すると、そこにいた女の子たちは自宅などで待機することになる。

「営業に差し支えるんですよ。自宅だと緊張感がなくて寝ちゃう子がけっこういいるんです。仕事が入って連絡しても、寝ているから機会損失することがある。事務所近くのネカフェを待機所にしているなら、場所だけは把握しているから、最悪寝ていても起こしに行けるわけで。。」


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200421-00011095-bengocom-soci
4/21(火) 10:15配信

https://www.youtube.com/watch?v=HPpFhZZJF1o
さよなら 小田和正