慶應義塾大学病院(東京都新宿区)が21日、同病院で発生した院内感染、
また初期研修医間で起きた集団感染の対応の現状について院長名で発表を行った。

その中で、新型コロナウイルス感染症の治療目的ではなく、
他の治療目的で入院する患者に検査をしたところ、5.97%の割合で陽性だったと明らかにした。

同病院の発表はこれが本筋ではないが「感染防止にむけてさらなる策を講じていく必要がある」としている。

先に報道されている通り、慶應義塾大学病院では、永寿総合病院からの転院患者、または同病院への外勤医をきっかけとして院内感染が発生。
今回の報告では、関係者へのPCR検査の結果、あわせて医師8名・医療スタッフ3名が感染していたが、いずれも無症状で感染拡大はしていないとした。

また初期研修医間の感染では、結果あわせて20名の研修医が陽性であったが、症状が出たのは2名で現在はそれもおさまり、
感染拡大はしていないと報告している。

発表ではさらに今後の取り組みの説明の中で、新型コロナウイルス感染症の治療目的ではなく他の疾患の治療のために入院する患者に、
術前検査の一環としてPCR検査を行った結果を報告した。それによると67人の対象者の中で4人、5.97%の患者が陽性だったという。

病院では、陽性となった患者は院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性があるとし
「感染防止にむけてさらなる策を講じていく必要がある」とコメントしている。

この数値は、PCR検査数がこれまで増えてこないなかで、これまで明らかになっていなかった市中感染の度合いを示唆する重要な結果とみられる。
サンプル数が少なく断定するほどの要素は揃っていないが、都市部では人口の約5%前後がすでにウイルスに感染し、無症状のままでいることが強く類推される数字だ。

例えば東京都を例にあげれば、現在最も感染者数が多いとされている世田谷区でも、4月20日時点で305人となっているが、
この数字を世田谷区の人口で単純に割合を出せば0.03%であり、今回慶應義塾大学病院が出した数値と大きくかけ離れている。

いずれにしろ感染拡大防止の観点からは、市中感染ですでに相当の人数がウイルスをすでに持っていると考えるのが自然だ。
引き続き外出を極力控え、止むを得ず外出する場合でも複数人では出かけない、時間も短くすることを心がけることが必須だろう。
https://median.press/novel-corona-virus-in-the-city-japan/