新型コロナウイルスをめぐり、厚生労働省対策班で感染状況の推計に携わる西浦博・北海道大教授(理論疫学)は24日、報道陣に対し、東京都内の感染者数の伸びが今週に入り鈍化しているとの見方を示した。その上で、今後の動向を引き続き分析する必要があると注意を求めた。

 西浦教授はまた、大型連休を前に人と人の接触を減らす取り組みの緩みも懸念されるとして、対策の徹底を要請した。

新型コロナ、接触減は不十分 医療専門家、対策を批判

 西浦教授は「日本のPCR検査のキャパシティーが低めなのは事実」と指摘。分析の限界を補うため、検査が陽性になる率を使ってデータを補正し、患者数の変化を推計した。その結果、患者はねずみ算式に増えていたが、4月10日ごろから伸びがやや鈍り、今週に入ってさらに鈍化したと述べた。
 感染から潜伏期間を経て診断を受けるまでの時間を考慮すると、小池百合子都知事が3月25日に外出自粛を要請した効果とみられるという。緊急事態宣言の効果は、今後検証する必要があるとした。
 携帯電話の位置情報のデータなどを基に、人と人の接触減が十分でない地域がある可能性も指摘した。
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