米通商代表部(USTR)は24日、米国、カナダ、メキシコの3カ国が合意した新たな北米自由貿易協定(NAFTA)が7月1日に発効すると米議会に通知した。新協定は、北米3カ国間で自動車関税をゼロにする基準「原産地規則」を厳格化しており、北米に生産拠点を持つ日系メーカーの生産体制にも影響を与えそうだ。

 新協定は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」。3カ国は当初2018年11月に新協定に署名したが、米議会の野党・民主党の主張を踏まえ、昨年12月に労働者保護や環境規定を強化した修正協定に改めて合意した。カナダ、メキシコ両国はすでに批准しており、USTRの議会通知で3カ国の批准手続きがすべて完了する。

 新協定は、自動車の原産地規則について、3カ国内で作られた自動車部品を使用しなければならない割合を現行の62・5%から発効後3年間で段階的に75%まで引き上げる。また、自動車に使用する鉄鋼・アルミニウムの70%以上を3カ国内で調達することを義務付ける。メキシコやカナダに工場を持つ日系自動車メーカーは、北米での部品調達を増やすなどサプライチェーン(供給網)の見直しを迫られる可能性がある。【ワシントン中井正裕】

毎日新聞 2020年4月25日 11時12分(最終更新 4月25日 11時13分)
https://mainichi.jp/articles/20200425/k00/00m/020/089000c