警視庁は24日、今年1〜3月の東京都内の特殊詐欺認知件数は717件で、前年同期に比べ28.7%減ったと発表した。被害額は33%減の約13億2943万円。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛やテレワークの普及で家族が在宅することが増え、不審な電話に気付くケースが増えたとみられる。

 特殊詐欺のうち、医療費の還付に必要な手続きなどを装い現金自動受払機(ATM)で送金させる「還付金詐欺」が167件(36.3%減)で、全体の約2割を占めた。親族などを装って現金を振り込ませる「オレオレ詐欺」は102件(37%減)。架空の料金を請求する詐欺なども減少した。

 一方で、被害者宅を訪れた人物が警察官などになりすましてキャッシュカードをだまし取る「キャッシュカード詐欺盗」は前年同期比2.8倍の301件と、全体の約4割を占め最多だった。カード詐欺盗は特殊詐欺全体の認知件数が減る中で、全国的に増加している。【岩崎邦宏】

毎日新聞 2020年4月25日 11時09分(最終更新 4月25日 11時09分)
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