世界保健機関(WHO)は、公式サイト上で新型コロナウイルスにまつわるデマを払拭(ふっしょく)するためのコーナーを用意しています。項目は19あり(4月25日現在)、例えば、「ニンニクを食べれば感染予防になる」という情報に対しては「ニンニクは健康に良い食材ではありますが、新型コロナウイルスへの予防効果があるとの証拠はありません」といった具合です。他にはどんなデマがあるのでしょうか?

10秒間息を止めることができればセーフ?
 感染しているか否かを自己判断する上で、「息を10秒間止めて、苦しみを感じたり、咳(せき)をしたりしなければ大丈夫」との説が出回っております。

 これに対し、WHOは「10秒間息を止められたからといって、新型コロナウイルスや他の肺疾患がない、ということではありません」と説明。そのうえで、「(新型コロナの)一般的な症状は乾いた咳、疲労感、発熱です。感染したか否かを確認する最も良い方法は検査を受けることです」と説明しています。

蚊に刺されて感染するの?
 マラリアやデング熱のイメージが強いのでしょうか。新型コロナウイルスについても蚊に刺されることによって感染するのではないか、と考える人も少なくないようです。

 しかし、WHOによると新型コロナウイルスの場合、これまでのところ、蚊の媒介によって感染するという情報や証拠はないそうです。あくまで、感染した人が咳やくしゃみをしたときに発生する飛沫(ひまつ)などから感染するため、咳やくしゃみをしている人との密接な接触を避け、石鹸(せっけん)で手洗いをすることを心がけることを推奨しています。

太陽光、温暖気候は感染しない?
 太陽の光を浴びたり、温暖な気候では感染しない、という説もまことしやかに言われています。これに対し、WHOは「温暖な気候の国でも感染者は確認されています」と指摘。太陽光を浴び、摂氏25度以上の環境下にいても予防にはならないとしています。「感染を防ぐためには手洗いを徹底し、目や鼻、口に触れないようにしましょう」と呼び掛けています。

 似たような説としては、「高温多湿な地域では感染しにくい」というものもあります。しかし、WHOは上記と同様に、それらの地域でも感染する可能性がある、との見解を示しています。

 逆に、「寒冷地や雪が降る環境下ではウイルスが死ぬ」とも言われることがあるそうですが、WHOはこれも否定しています。

5Gが新型ウイルスを拡散?
 次世代通信規格「5G」がウイルスの拡散するのでは? との話題が一部で取りざたされてます。WHOはこれも明確に否定しています。

WHOは「ウイルスは電波によって移動することはありません。また、5Gを持たない地域でも感染は広がっています。ウイルスは、感染者が咳やくしゃみをした際の飛沫を介して拡散され、飛沫に触れた手で目や口、鼻を触ることで感染します」としています。

飲酒は予防につながる?
 手先へのアルコール消毒が有効、とのことから「飲酒が予防になる」という言説がありますが、WHOはこれも明確に否定。むしろ「高い頻度での飲酒や、過度のアルコール摂取は健康を損ねるリスクを高める恐れがあります」と警告しています。

「抗生物質」「高温風呂」なども予防にならず
 WHOは、上記以外でも、(1)抗生物質に予防効果はない(2)高温の湯船に入ることが予防にはならない(3)感染して危険なのは高齢者だけではない(4)感染が一生涯続く訳ではない――などの正確な情報を掲出しており、デマに惑わされないよう呼び掛けています。

4/25(土) 16:21配信
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