徳島県は24日、新型コロナウイルスの感染者が通院・入院していた病院で働く職員の子どもについて、保育所が登園拒否していたことを明らかにした。ほかにも職員や家族に対する不当な行為がみられるという。病院は徳島市内にあり、飯泉知事と内藤佐和子市長は、いわれのない中傷をやめるよう訴えた。

 県などによると、この病院では、入院患者の転院や他の病院に依頼した診察が断られたほか、感染者と接触していない職員の家族が就労を拒否されたり、保育所や学童の利用を断られたりするなどの被害があったという。

 飯泉知事は「感染症と最前線で闘っているのは医療従事者。家族にうつすかもしれないという思いもありながら、悲痛な思いや決意で取り組んでくれている」としたうえで、「『保育所に来ないでくれ』など、その一言で心が折れてしまう。本人や家族らに感謝こそすれ、中傷するのは、とんでもない話だ」と訴えた。

 また、徳島県外ナンバーの車を運転する県民らから「あおり運転された」、「暴言をはかれた」などの声が、県などに寄せられたといい、内藤市長は「通院など必要な移動もあるし、徳島に住んでいても県外ナンバーの人もいる。徳島を分断させないよう協力してほしい」と述べた。
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