与野党の政策責任者は26日のNHK番組で、新型コロナウイルスへの対策を議論した。自民党の岸田文雄政調会長は事業者の家賃支払いへの支援を巡り、野党に協力を呼びかけた。立憲民主党の逢坂誠二政調会長は野党案にこだわらず、柔軟に対応する考えを示した。

岸田氏は2020年度補正予算案に盛った中小企業に最大200万円の持続化給付金を巡り「一日も早く支給するのが家賃の支払いにとっても大変重要だ」と述べた。

「テナントの支払い負担が軽減される対応を政府・与党で調整したい。野党にも協力していただけるところがあれば協力して頂きたい」とも語った。

立民、国民民主両党などは24日の政府と与野党の連絡協議会で、家賃を政府系金融機関が肩代わりする法案を示した。対策費に5兆円を充てるなど補正予算案の組み替えも提案した。

逢坂氏はNHK番組で「我々は法案を出すが、必ずしもそれにこだわらない。柔軟に見直すことを含め議論したい」と話した。岸田氏には「『持続化給付金の後』などと言わず、早速議論をしよう」と持ちかけた。

日本維新の会の浅田均政調会長は賃料の50%以上を免除する不動産所有者に助成する独自案を説明した。「テナントとオーナーの両方とも助かる」と強調した。

公明党の石田祝稔政調会長は「契約解除に至らない形を必ずつくっていかねばならない」と述べ、与党で検討を進める考えを示した。

医療体制の拡充についても意見を交わした。

野党は補正予算案を巡り、PCR検査や病床確保などに充てる新型コロナの緊急包括支援交付金が1490億円では不十分だと批判した。

国民民主の泉健太政調会長は「全額を国費負担にして、1兆円にすべきだ」と増額を要求した。共産党の田村智子政策委員長も「数兆円規模で至急に医療現場にお金を出さないといけない」と訴えた。逢坂氏や浅田氏は医師らへの危険手当の創設を主張した。

岸田氏は新型コロナの治療に関する診療報酬を倍増させる政府方針について「これで十分なのかという指摘もある」との認識を示した。野党からの批判には「まずは補正予算案を成立させて実行し、状況の変化に合わせて物事を考える姿勢が大事だ」と答えた。
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