【正常性バイアスに支配されてない?】『自分がまさか感染するはずがない』コロナ、無意識に過小評価 心理学専門・筒井福島大教授が指摘


2020年04月27日 10時00分

新型コロナウイルスの感染者に発熱などの自覚症状がありながら働いていた例が報告されている。心理学の専門家は、感染者が状況を過小評価する「正常性バイアス」に陥っている可能性があると指摘する。感染の広がりが懸念される大型連休を迎え、一人一人が「感染症がいかに恐ろしいか理解することが必要だ」と訴えた。

 県内の感染確認数は26日時点で69人に上り、二本松郵便局(二本松市)やエーピーアイコーポレーションいわき工場(いわき市)、保健福祉施設「えぽか」(本宮市)、原町サイン(南相馬市)でクラスター(感染者集団)が発生している。県は体調に異常があった場合、自宅待機するよう求めてきたが、県などが発表した行動歴によると、発熱やだるさなどを感じながらも複数の感染者が出勤し、感染を広げる要因の一つとなっていた。

 福島大共生システム理工学類の筒井雄二教授(55)=心理学=は、自宅待機の指示が出ても休業補償などの観点から休みにくい人がいるとした一方で、「『自分がまさか感染するはずがない』という認識が働いたのでは」と心理状況を分析する。風邪のような症状があると分かっていても「休むという行動につながらなかった」と述べ、「自分が直面している状況が危険であるという意識が必要だ」と指摘した。

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