2020/04/28
世界の子どもに一番有名な楽器という説も


小学校で誰しも一度は触れたことのある「鍵盤ハーモニカ」。家で手軽に始められる楽器はないかなと考えていた時、その存在を約20年ぶりにふと思い出しました。調べてみると、私の子ども時代よりもバージョンアップしているようです。世に出てから約60年。大人にも人気が出ているという「鍵ハモ」に迫ってみました。(朝日新聞デジタル編集部・影山遼)



略すと「鍵ハモ」

鍵盤ハーモニカ、略すと「鍵ハモ(ケンハモ)」や「鍵ハ」というそう。個人的にはあまり耳なじみのない言葉ですが、界隈では当たり前の言葉ということです。

商品名としては、どちらも静岡県浜松市に本社がある、ヤマハの「ピアニカ」や鈴木楽器製作所の「メロディオン」がメジャーなところでしょうか。




なぜ、鍵盤「ハーモニカ」

そもそも鍵盤ハーモニカの定義は、と疑問に思い、聞いてみました。鈴木楽器製作所の企画課に所属する青山仁美さんが「音が鳴る部分がハーモニカと同じく『リード』であることと、演奏に鍵盤を使用すること、でしょうか。リードとは、小さな金属の板で、吹き込んだ時に振動して音が鳴るものです」と解説してくれました。

調べてみると、元々はドイツ生まれ。ホーナー社の「メロディカ」が原形で、当時はボタン式でしたが、日本でメーカーが鍵盤をつけました。ハーモニカやアコーディオンなどの仲間になります。音階が目に見え、音も出しやすいため、日本では1960年代にハーモニカに代わって学校に普及しました。

鈴木楽器が市場調査を始めたのは、今からちょうど60年前の1960年。その翌年に「メロディオン」の「スーパー34」がデビューしました。その後、徐々に形を変えていきます。現在の生産数は年間に約40万本ということでした。

鍵盤の数も、これまでに幾度となく変わってきました。その変遷は「34→36→27→25→32→26→24→37→44」。だいぶ数に差があります。

一方、ヤマハによると、「ピアニカ」の販売を1967 年に開始。最初は「P-32A」という商品名。その後、多くの学校で音楽の教材として使われている鍵盤数が32 のタイプを中心に、幼児が楽に演奏できる25タイプや、広音域な37 タイプなどを展開してきました。




大人に人気の訳

ヤマハと鈴木楽器とも、一番変わったのは、子ども向けだけでなく大人向けのモデルを発売し始めたところでしょうか。鈴木楽器は2000年に発売を始めました。ヤマハは2018年、「大人のピアニカ」と商品名に「大人の」を冠した製品を登場させました。

「大人のピアニカ」は、ヤマハが初めて大人のために開発したモデルです。本体は落ち着いた色。また、両手演奏などにも対応できる形状の吹き口を採用したそうです。

ヤマハの担当者は「息を吹き込んで鍵盤をおさえれば演奏できるように、簡単に楽器の演奏体験が可能。息を使うことで腹式呼吸を意識したり、楽譜を見て指を動かすことが脳トレにもつながったり、健康増進の側面から始める方も増えてきています」と大人人気の理由を説明します。
     ===== 後略 =====
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