0001スナフキン ★
2020/04/28(火) 22:04:10.25ID:Mj36w0xO9新種が分類される「マタマタ属」には、これまで「マタマタ(Chelus fimbriatus)」という1種類のカメしか知られていません。
ところが、遺伝子分析の結果、マタマタ属は2種に分かれていることが判明。その進化の分かれ道は、今から約1300万年前にさかのぼるそうです。
進化が分かれた原因は何だったのでしょうか。
クセのある見た目が人気なあまり…
マタマタは南アメリカ大陸に広く分布するカメで、ごらんの通り見た目のインパクトが強いため、水族館でも高い人気を誇ります。
しかしその人気のあまり違法取引で頻繁に売買され、密猟や乱獲が問題視されています。
その大きさは、成体で平均45?53センチ。普段は、泥でにごった川底に身を潜めています。
岩や枯れ枝を模したような見た目と、背中一面を覆うコケから、パッと見は岩にしか見えません。
しかしそのおかげで天敵に見つかりにくいのです。
一方で、獲物が近づけば、すばやく首を伸ばして捕まえる俊敏さも兼ね備えています。
研究チームのUwe Fritz教授(ゼンケンベルク自然博物館)は「見た目の人気が高い反面、遺伝子的な特徴についてはほとんど知られていない」と話します。
そのことが、長年にわたって、新種のマタマタの存在を隠してきたようです。
ところが、近年、マタマタの見た目が、「アマゾン川流域」と「オリノコ川流域」とで違うことが指摘され始めました。
そのことから、同チームは、2つの流域に生息するマタマタの遺伝子解析を進めることにしたのです。
分かれ道は1300万年前
それぞれのマタマタから75個のDNAサンプルを採取し、分析した結果、遺伝的にも形態的にも区別される2種類目の存在が特定されました。
新種のマタマタは、すでに知られているマタマタ種(Chelus fimbriata、アマゾンに生息)とは別に、Chelus orinocensis(オリノコ川流域に生息)と命名されています。
チームは、2種のマタマタについて、「およそ1300万年前の中新世後期に分岐した」と考えています。
というのもこの時期は、アマゾン川とオリノコ川が、今日あるような2つの流域に分裂した頃でした。
これにより、同地の生物たちも空間的に2グループに分裂し、マタマタも遺伝子的に分かれたと推測されるのです。
また、これまでは「絶滅危惧種に指定するほど数は少なくない」とされていましたが、種が2つに分かれているならば、必然的に種ごとの個体数は少なくなります。
さらに、密猟や違法取引は増加傾向にあり、保護を怠れば一転して絶滅の危機に陥るかもしれません。
同チームは「手遅れになる前にマタマタの保護活動を進めていく」と話しています。
研究の詳細は、4月9日付けで「Molecular Phylogenetics and Evolution」に掲載されました。
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