Zignal Labsによると、COVID-19と5Gの関係はインターネット上で広まり、3月頃からは投稿が急増していきます。このキッカケは、著名人がフォロワーに対して陰謀論を語り出したことでした。アメリカの歌手であるケリー・ヒルソンは3月15日付けでTwitter上で5Gの危険性を警告。さらに4月3日にはラッパーのウィズ・カリファがInstagramに投稿を行いました。このほか、ボクサーのアミール・カーン、俳優のジョン・キューザック、音楽プロデューサーのテディー・ライリー、タレントのアマンダ・ホールデンなどが同様の投稿を行っています。実際にイギリスで5Gの電波塔が放火されるという事件が複数発生したことも相まって、この話題は多くの人の目に触れることになりました。

また、トランプ政権を礼賛する陰謀論者「Qアノン」もうわさの拡散に関与しています。Qアノンの1人は「COVID-19の症状は5Gに暴露した時の状態に類似している」「イタリアでの流行は5Gの展開とリンクしている」と主張しているとのこと。

特にインターネット上での人気が高い陰謀論は、Microsoftの創業者であるビル・ゲイツの関与を主張するもの。この説の支持者は、「ビル・ゲイツが5Gを使ってウイルスを広めた」と主張し、中には「Facebookが5GとCOVID-19の陰謀論について共有するアカウントを削除している」という点に疑念を示す人も。

陰謀論を信じることは、現実に問題を引き起こす可能性があります。5GがCOVID-19の原因だと信じる人が増えることによって、社会的距離を取らず、マスクをしない人が増加する可能性があります。また5Gの陰謀論者とワクチン陰謀論者に重複があることも確認されており、たとえ新型コロナウイルスのワクチンが完成しても、これらの人々がワクチン接種を拒否すれば、ウイルスにさらされやすい人を危険にさらすことになりかねません。

Facebookは新型コロナウイルスに関連するフェイクニュースや陰謀論の投稿削除を行っており、投稿だけでなく、反5Gを主張するグループそのものの削除も行っています。またYouTubeも「5Gが新型コロナウイルスの感染拡大に寄与している」という陰謀論を唱えるコンテンツを制限すると発表。Twitterも「害を及ぼす可能性のある行動を促すフレーズ」を含む投稿を削除しているとのことです。

ただし、COVID-19と5Gの関係性を主張する陰謀論は、「ワイヤレス技術は人体に有害」と主張する陰謀論のバリエーションの1つであるため、時間の経過と共に数は減っても、完全になくなることはないとみられています。
https://gigazine.net/news/20200427-conspiracy-theory-5g-causing-coronavirus/