(前略)東京、渋谷、新宿といったターミナル駅を中心に、人が減っているのがわかります。

このうち、まばらな人の様子が連日のように紹介されている、渋谷のスクランブル交差点付近の人出を、2月中旬から4月29日まで見てみます。
4月25日からの土日は、最も多かった土日と比べると83%減少していました。
(中略)
多くの場所を分析すると、人出が減っていなかったり、逆に増えていたりする場所の特徴も見えてきました。

その1つが、日常の買い物に使う商店街。東京の多くの商店街で、人出があまり減っていませんでした。

このうち、人出が増加していたのが、東京 豊島区の巣鴨。高齢者が集うことで有名な商店街です。
平日、休日ともに人出が増加傾向に。特に4月25日、26日は、この2か月半で最も人出が多い週末となっていました。
(中略,他に千葉市内にある大型スーパーと、山梨県内のショッピングモール)
また、公園の中にも、人出が減っていないところがあります。

住宅地にある世田谷区の砧公園です。
2月から、ほぼ横ばいの傾向が続いています。

「外出が止められていない」場所では、今も人が大きく減っていないのが、現状なのです。
(中略)
赤で示すのが、人出が3倍以上に増加した場所、合わせて67か所ありました。(中略)特に目立ったのは、先ほども見た公園や広場の付近。

そのほかにも、海岸や港、ゴルフ場、観光地、パチンコ店がありました。
(中略)
このデータ分析の結果を、専門家はどのように見るのでしょうか。感染症に詳しい水野泰孝医師に聞いてみました。
水野さんが指摘するのは、多くの人が、外出する先にも気を使っているように見えるということです。
「人出が増えている場所が、公園などの屋外が多い。それは、多くの人が、屋内で起きる密集、密閉、密接の“3密”を避けるように気を使っているからではないでしょうか」
(中略)「『3密を避ける』という当初のことばが、自粛の長期化に伴って、『3密でなければリスクはない』という『緩い認識』に変化していることが考えられます。“3密は高リスク”、“2つの密は中リスク”、そして“1つの密でもリスクがある”と認識してください。屋外であっても、人が集まって会話をすれば、“2つの密で中リスク”となるのです。リスクを1つでも少なくするよう、行動を変えることが必要です」(後略)
NHK 2020年5月1日 20時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200501/k10012414141000.html