フィリップス・ジャパンは新型コロナウイルスの患者の治療などに使う新型の人工呼吸器について、日本で製造・販売の承認を取得したと発表した。国内の医療機関向けに月内に数千台を供給する。承認に向けた審査は通常3〜4カ月かかるが、特例的に4日間に短縮された。

承認を受けたのは人工呼吸器「E30システム」。新型コロナの世界的な感染拡大を受けて開発し、早期に大量生産できるよう設計を工夫した。口や鼻にあてるマスク型のほか、主に新型コロナの治療に使う気管挿管型の両方に対応できる。米国では4月14日に発売しており、欧州でも複数の国で販売承認を取得した。

米国の工場で同国や欧州向けを含め週1万5000台を生産できる体制を整えた。日本向けには5月の連休明けからまず数千台を提供し、その後需要に応じて供給量を増やすことも検討する。

厚生労働省は4月13日、人工呼吸器の審査を迅速にする事務連絡を出した。これを受けて医薬品医療機器総合機構(PMDA)が異例の速さで審査を進めた。4月24日には、日本光電が米子会社の人工呼吸器について同様の枠組みで4日間で承認を取得している。

日本経済新聞 2020年5月2日 17:37
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58764020S0A500C2EA5000/