★自粛要請でもパチンコ店に通う客の嘆き「給付金10万円吸い取られた」
2020年5月2日 16:00
https://www.moneypost.jp/659317

 緊急事態宣言を受けた休業要請で、パチンコ・パチスロ店の大半が休業するなか、一部の店舗は営業を続けた。
大阪府や兵庫県では営業店舗名を公表したものの、これが“宣伝”となって客が集まる現象も起き、
5月1日に兵庫でより強い措置である休業指示が出されると、今度は明石海峡大橋を渡って徳島に遠征するパチンコファンまで現われた。

 初の休業指示が出された神戸市内で営業を続けていた店の駐車場には「大阪」や「なにわ」ナンバーの車が多く並び、7割以上の台が埋まっていた。
ただし、台の人気傾向ははっきりしていた。大当たり確率は低いが当たった時の爆発力が大きいハイリスク台は満席なのに、1円パチンコや低スペック台は空席だらけ。
そしてどのシマ(台の列)でも「大当たり中」の台は少ないように見えた。ハイリスクハイリターン台が多いパチスロコーナーはさらに混み合っている。

 仕事が休みになったので来たという50代の建築関係者は声を荒らげた。

「渋すぎるで。1000円で12〜13回転や。普通なら20回転以上やろ。こっちはリスク冒して来とるのに、いくらなんでも締め過ぎちゃうか。午前中だけで3万円の負けや」

 68歳の無職男性は、「パチンコで暇つぶしが習慣なんや。この店しかないから来た。
店もサービスしたらええのに、自分(パチンコ店)らも勝負をかけとるんやろな」と、妙に納得した口調でそれでも別の台に向かう。

 元公務員の男性(65歳)は、「こりゃ勝てんわ。もう(コロナ対策給付金の)10万円をパチスロに吸い取られた」と嘆いた。

 自業自得としか言いようがないが、パチンコ雑誌ライターはこう語る。

「そもそも閑散期や競合店が出現したりすると出玉率を高くして常連客に還元し、ボーナス時や大型連休で集客できる時に回収するのはパチンコ店経営の常套手段。
地元で打つ店がないため遠方から一見客が殺到するこのタイミングで店が出玉を渋るのは、冷静なパチンコファンなら想像できるはずですが……」

 パチンコ店の強行営業を報じるニュースでは、客の「自分のカネでパチンコして何が悪い」「コロナに感染したらしょうがない」
といった勇ましいコメントばかりが放送されたが、カネと冷静さを失ったパチンコファンの声を報じたほうが、自粛呼びかけの効果はあったのではないだろうか。