0001どどん ★
2020/05/03(日) 20:45:43.26ID:QOPV8fTF9ここではPCR検査で陰性が確認されながら病院から出られない患者が4月末時点でも少なくとも10人以上いる。「永寿の患者」というだけで多くの病院が受け入れを
拒否するためだ。入院中、陰性判明後に新型コロナに感染した人も少なくなく、残された患者は感染におびえながら毎日を過ごす。「出たくても出られない。
刑務所のようだ」。退院したばかりの女性が入院生活を明かした。
永寿総合病院は400床の病床を持つ台東区で最大の病院。患者や医療スタッフら210人が感染し、今も外来患者や救急搬送を受け入れていない。
退院後に取材に応じたのは台東区の無職の女性(82)。脳梗塞(こうそく)を起こして3月初旬に都内の別の病院に入院していたが、3月中旬に人工透析の治療を
受けられる永寿に転院した。脳梗塞の治療は順調に進み、3月29日に退院することも決まった。
しかし、転院直後から院内はコロナ感染で騒然となっていた。女性もPCR検査を受けたが陰性と判明。ほっとしたが、退院は突如延期となった。女性が通う予定だった
かかりつけの透析専門病院が受け入れを拒否したのだ。
「病気は治ったのになぜ」。病室のテレビは連日、永寿総合病院のニュースを流していた。多くの患者の感染死が伝えられるなか「このまま病院にいれば、
次は自分かもしれない」と不安が募った。
感染拡大とともに、院内環境は厳しくなっていった。まず病室から出るのが禁じられた。マスクは2枚しか配られず、それを1カ月間使い続ける。入浴には
介助が必要だったが、接触を避けるため、看護師らの付き添いはなくなった。そのため、週1回程度配られる蒸しタオルで体を拭くしかなかった。
病院も混乱を極めていた。この女性は7階の病棟で入院していたが、ある日、看護師から「5階に移るから荷物をまとめて」と指示があった。永寿では感染者と
非感染者を別のフロアに集めていた。しかし、その後、「(移動場所は)6階にします」と別の指示が出た。5階で新たに感染者が出たためだという。
医師の回診は3日か4日に1回。「早く出たい」と伝えても「こちらもそうしたいが、無理です」と言われるだけ。4月13日の2回目の検査で再び陰性が確認されたが、
退院は認められなかった。「まだです。もう一度検査を受けてほしい」と医師は繰り返した。その間もニュースは永寿での集団感染を流し続けていた。
4月20日、3回目の検査を受けた。「もし陽性だったら」。すでに入院から1カ月が経過していた。結果は陰性。その後、かかりつけの透析専門病院が受け入れを
了承したと聞いた。
同じ病室には、転院を希望しながら認められない60代女性がいた。同じ境遇の2人は励まし合って暮らしてきた。退院が決まった時、声をかけられた。「さみしいよー」
感染におびえるこの60代女性は一人で病室に残された。
永寿から転院するには転院先を探すことが最も難しく、周辺の病院に受け入れをお願いしても、「永寿」と言うだけで拒否されることもあるという。
永寿総合病院は先月28日、ホームページで「現状報告」を示し、院内の濃厚接触者について「ほとんどの方の退院が可能となっておりますが、(略)受け入れ先の決定に
時間を要しております」と記した。
【林田奈々、遠山和宏、関谷俊介】
毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200503-00000065-mai-soci
永寿総合病院を退院したばかりの女性。ノートには入院生活の様子がびっしり書き込まれていた=東京都台東区で、林田奈々撮影
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/05/03/20200503k0000m040192000p/8.jpg