ネットに「自粛警察」投稿相次ぐ

http://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/20200505/1000048433.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

新型コロナウイルスを巡って自粛要請が長期化する中、インターネット上では感染した人をおとしめたり、
繁華街を訪れた人などを非難したりする書き込みが相次いでいます。
こうした行為はインターネット上で「自粛警察」と呼ばれていて、専門家は
「差別を生じさせる許されない行為で、冷静に対応してほしい」と呼びかけています。

このうち、都内の20代の女性が、感染がわかったあとに帰省先の山梨県から高速バスで都内に戻ったケースでは、
インターネットの掲示板に女性の名前や家族の職業だとされる書き込みや、
女性の行動を「人殺しと同じだ」などと人格を著しくおとしめる書き込みが投稿されています。

また、感染者へのひぼう中傷以外にも、ツイッターなどのSNS上では公園や店舗に人が集まっている写真や
動画を掲載し「自粛要請を無視している」などと非難する投稿が相次いでいます。

このほか、営業を休止している都内のライブバーが、無観客でライブを実施しインターネットで配信したところ
「自粛してください。次発見すれば、警察を呼びます」という張り紙が貼り付けられたケースもありました。

こうした行為は自粛要請に応じているか監視し、取り締まるものだとして、インターネット上で
「自粛警察」や「自粛ポリス」などと呼ばれています。
社会心理学が専門で、東京大学大学院情報学環の関谷直也准教授は「背景には未知の病気に対する不安や
行動を抑制されていることへの不満があり、他の人を非難することでそれを解消している」と指摘しています。
そのうえで「差別を生じさせる許されない行為で、冷静に対応してほしい」と呼びかけています。

インターネット上では、新型コロナウイルスに感染した人をおとしめたり、本人の名前や職業だとされる情報を
暴露したりするなど、悪質な書き込みが相次いでいます。
このうち、感染が疑われる症状がある中、山梨県の実家に帰省した都内の20代の女性が、
感染がわかったあと高速バスで東京に戻っていたケースでは、女性の名前や実家がある地名、
それに家族の職業だとされる書き込みや、女性の行動を「人殺しと同じだ」などと
人格を著しくおとしめる書き込みがインターネットの掲示板に投稿されています。

また、鹿児島県でも、ことし3月、県内に立ち寄った女性の感染が発表されると、女性の行動を非難するほか、
個人情報を特定しようとする書き込みが数多く行われなど、インターネット上では
感染した人を責めるような悪質な投稿が相次いでいます。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛要請を巡っては、ツイッターなどのSNS上に、公園や店舗に
人が集まっている写真や動画を掲載し、「自粛要請を無視している」などと非難する書き込みが相次いでいます。
こうした動きは、先月下旬から多く見られるようになり、自粛要請に応じているか監視し、
取り締まる行為だとして、インターネット上で「自粛警察」や「自粛ポリス」などと呼ばれています。

実際に小売店の人出の多さを撮影しSNSに投稿をしたという30代の男性は、NHKの取材に対し
「自粛警察」と呼ばれるような行為をしたつもりはないとしたうえで「人が少なくなったところばかりを取り上げる
マスコミに対し、利用者が増えている場所があり実態とは違うということを指摘したかった」と話しています。

また、インターネット上に書き込みをされるだけでなく、実際に嫌がらせを受けるケースもあります。
東京・杉並区にあるライブバーでは、自粛要請に応じて営業を休止していますが、先月26日、
観客を入れずにライブを実施し、その模様を無料でインターネットに配信したところ「自粛してください。次発見すれば、警察を呼びます」
という張り紙が貼り付けられました。
ライブバーの経営者はNHKの取材に対し「冷静に話し合えばわかり合える可能性もあるのに、
このような形で誤解されるのは残念だ」と話しています。

05/05 09:41