札幌市突出、改善見えず

新型コロナウイルスの都道府県別感染者数を人口100万人当たりで比較すると、道内は過去3週間で状況が改善せず、5日までの直近1週間では東京都に次いで全国2番目に多い。道内は札幌市内の増加が続き、鈴木直道知事は6日の臨時記者会見で「危機的状況」と指摘。今後は、道内を地域ごとに分けて休業要請などの措置のあり方を検討する考えにも言及した。

 札幌医大がまとめた都道府県別の推移を示すデータを踏まえ、北海道新聞が厚生労働省などの発表に基づいて100万人当たりの感染者数を算出。5日までの1週間では、最多の東京都が47人。道内は38人。富山県(27人)、石川県(17人)が続いた。両県は4月下旬までは北海道を上回る状況だった。感染者の累計総数で道内を上回る大阪府(15人)、神奈川県(16人)の状況も改善している。

 全国的に新規感染者数が減少に転じつつある中、改善が見えない道内。とりわけ札幌市内の100万人当たりの感染者は5日までの1週間に80人。札幌以外の市町村の14人の6倍近い。札幌以外の市町村では徐々に落ち着きを見せているのと対照的だ。

 全道を対象にしている休業要請は各地の事業者の経営を圧迫。知事は6日の記者会見で「感染拡大がみられない地域もあり、(全道一律とするべきか)考えることが必要」と述べ、札幌圏を除いた地域で緩和する可能性を示唆。地域ごとの緩和に向けた数値の明示について、基準を示す必要性に触れた。

北海道新聞
5/8(金) 6:06
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200508-00010000-doshin-hok