中国外務省は11日、来週開催される世界保健機関(WHO)総会について、ニュージーランドが台湾のオブザーバー参加を支持したことを非難した。

台湾は中国の反対でWHOに加盟できておらず、来週のWHO総会へのオブザーバー参加を認めるよう働きかけを強めている。

ニュージーランド政府は先週、台湾のオブザーバー参加を支持する考えを示した。

中国外務省報道官はこれについて、ニュージーランド政府のコメントは「一つの中国」政策に深刻に侵害するものとし、「強い不満を表明し、断固として反対する。ニュージーランドには既に厳重に抗議した」と述べた。

台湾の呉ショウ燮外交部長(外相)は11日、WHOに対する中国の影響力を打破するためには「さらに強力で国際的な力」が必要と主張。「今年の国際的な雰囲気は台湾の参加に比較的有利に傾いており、WHO事務局と中国への圧力は一段と強まる」と述べた。

台湾は対中関係が良好だった2009─16年にWHO総会にオブザーバー参加していたが、16年に中国が独立主義者と見なす蔡英文総統が就任すると、中国の反対で参加できなくなった。

2020年5月11日(月)21時06分
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