【ワシントン=黒瀬悦成】米ABCテレビなどによると、トランプ政権は11日、トランプ大統領の執務室があるホワイトハウス西棟で勤務する職員に対し、マスクを常時着用するよう命じる通達を出した。

 トランプ氏の世話役とペンス副大統領のミラー報道官が先週、新型コロナウイルスに感染していることが判明したことを受けた措置。ただ、トランプ氏自身は、73歳の高齢で感染リスクが高いにもかかわらず、マスク着用に否定的な態度を貫いており、同氏の健康に対する懸念も出ている。

 通達では、職員らが自席に着いているときはマスクを着けなくともよいとする一方、職員らに対し不要不急のホワイトハウスへの登庁を自粛するよう要請しているという。

 米疾病予防管理センター(CDC)は4月3日、米国民に対し、他の人と一定の距離をとれない場合はマスクを着用するよう求める指針を発表している。

 トランプ氏は11日の記者会見で、ホワイトハウス内部で感染者が出たことに関し、「ホワイトハウスの機能に影響は出ていない」と強調。自身がマスクを着用しないことに関しては「私自身は他の人々と距離が取れている」と説明し、マスクは不要であるとの考えを改めて示した。

 米ジョンズ・ホプキンズ大によると、米国の感染者は約134万人で、うち死者は約8万人に上った。

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