新型コロナウイルスに感染する不安から、高齢者が歯科医の受診を控えるケースが相次いでいるとして、静岡県の歯科医師会は、口のケアがおろそかになると、誤えん性肺炎などのリスクが高まると注意を呼びかけています。

静岡市清水区の歯科医師、渡邉宏春さんは高齢者施設に専用の器具を持ち込んで、歯の衛生管理や入れ歯の調整などを行う訪問診療に取り組んでいます。

ふだんは20の施設を担当していますが、高齢者が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいと、注意が呼びかけられるようになって以来、半数の施設から訪問の中止を求められたということです。

高齢者の中には、定期的に診察しないと食べ物をかめなくなり、栄養不足や、そのまま飲み込むことによる窒息のおそれがある人もいるということです。

渡邉さんは「面会をすべて断っていると言われることが多い。しかし、口くうの健康は命に関わる問題でもあり、何かあれば連絡をするよう伝えている」と話していました。

静岡県歯科医師会も口のケアがおろそかになると、誤えん性肺炎などのリスクが高まるとして、受診が必要かどうかを歯科医に相談するよう呼びかけています。

県歯科医師会の柳川忠廣会長は「かかりつけの歯科医がいちばんよく理解しているので、治療の継続や延期については自分で判断せず相談してほしい」と呼びかけています。

ソース NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200512/k10012426321000.html