0001ごまカンパチ ★
2020/05/14(木) 08:37:38.26ID:oSgbQDnj9新型コロナウイルスの世界的感染拡大をもたらしたとして中国攻撃を強めるトランプ米政権が、中国共産党体制に照準を合わせた
「広報外交」(パブリック・ディプロマシー)を強化している。
言論弾圧を強める習近平政権に批判的な改革派知識人らを取り込み、その意識を高めようという戦略が見え隠れする。
これに対抗して中国共産党・政府も米国との「宣伝戦」を緩めておらず、価値観をめぐる両者の衝突は激化している。
◇警鐘の医師を称賛
米国の対中戦略外交の要は、ポッティンジャー大統領副補佐官(国家安全保障担当)だ。
今月4日、米バージニア大で行われたシンポジウムにオンラインで登場し、1919年の「五四運動」について講演した。
半植民地化する母国を憂い、日本など列強に対して立ち上がった学生・市民らの愛国運動だ。
ポッティンジャー氏は「五四運動の最終的な遺産は何なのか」と提起し、流ちょうな中国語で約20分間、中国国民にソフトに語り掛けた。
「五四運動の思想は政府の(言論検閲の)審査で削除されるのか。こうした(民主化の)主張は『愛国でない』『親米だ』『(体制)転覆だ』とみなされるのか」。
同氏の発言は習体制の言論弾圧を非難し、民主化を求める国民の声に耳を傾けるよう求めたものだ。
新型コロナの震源地・湖北省武漢では発生当初、感染の深刻な現実を知ってネットで警鐘を鳴らした李文亮医師が「デマを流した」として警察から訓戒処分を受けた。
真実がもみ消された結果、感染が拡大し、李氏も院内感染で犠牲になった。
ポッティンジャー氏は「五四精神の継承者は、大小の勇敢な中国市民であり、李医師はそのような人だ」と称賛した。
ポッティンジャー氏は大学時代に中国語を学び、7年間北京特派員を務め、中国当局から取材妨害を受けたこともある。
その後海兵隊に入隊し、トランプ政権入りした異色の中国通だ。
共産党の歴史観で「愛国」と評価される五四運動を取り上げ、中国の人々に民主化や言論の自由を考えるきっかけを与えることが共産党の「痛手」になると熟知している。
ポッティンジャー氏の講演について記者会見で尋ねられた中国外務省の華春瑩報道局長は6日、
「この米役人は自分では非常に中国を理解していると思っているが、五四精神が何か分かっていない。中国に強い偏見を持っている」と一蹴した。
◇英語ツイッター武器に
一方、中国宣伝戦の最前線に立つのは、華局長や趙立堅・同副局長ら外交官。
中国軍特殊部隊の元隊員が海外で活躍するという中国人気映画シリーズにちなみ、「戦狼(戦うおおかみ)」と呼ばれる。
中国で閲覧できないツイッターと英語を武器に、米政府を意識した発信を続け、フォロワーはそれぞれ40万、60万を超える。
趙氏は前任のパキスタン公使時代からツイッターで攻撃的発言を展開したことで知られる。
「新型ウイルス米軍持ち込み説」を主張して話題となった趙氏の投稿は、米高官が「武漢ウイルス」と呼んだことへの対抗だ。
しかし、「戦狼外交官」の露骨な発信は最近、米国だけでなく、各国とあつれきを招いている。
コロナ危機で世界が混乱する中、宣伝戦だけでなく、南シナ海や尖閣諸島周辺、香港問題などで野心的な行動を誇示しており、習政権への不信感は高まっている。